571部分:第八十二話 嵐を前にしてその二
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第八十二話 嵐を前にしてその二
「ほら、こうやってね」
「小宇宙で大気を変えてね」
実際二人でそうしてみせてだ。気温をかなり下げてみせた。
しかもそれは一部分だけである。そうやってみせたのである。
「これでやってたんだよ」
「わかったかい?」
「へえ、それもできるんだ」
「聖闘士って」
「小宇宙で」
それを知って思わず感心する顔になった四人だった。これは四人にとっては全く知らない道の世界の話であったのである。それも当然の話であった。
「私達ってまだまだ」
「そうね」
「全然小宇宙のこと知らないのね」
そしてこのことも確認することになった。
「まだまだ修業が必要なんだ」
「やっぱり」
「そういうことさ」
「小宇宙の使い方は様々なんだよ」
実際にそれを言ってみせる二人であった。
「勉強だよ、これも」
「わかったら食べな」
「ええ、じゃあ」
「頂きます」
こうしてその冷えたマンゴーを食べてみた。するとその味は。
「美味しい・・・・・・」
「凄く甘いし」
「それに柔らかい」
充分な及第点であった。皮を剥いたそのマンゴーは見事な味であった。その繊維が気になることは確かだがそれでも味は確かなのであった。
「熟れてるわよね」
「ええ、とてもね」
「そういうのばかり選んだからね」
「結構安かったよ」
「そうだったんだ、このマンゴーって」
「安かったの」
青銅の四人はこのことにも驚いたのであった。
「これだけ美味しいのに」
「そんなにしないって」
「他にはスイカもあったよ」
「ドリアンもね」
そういったものもあるというのである。
「それもあるよ」
「えっ、ドリアンっていったら」
「あの」
「果物の悪魔っていう」
「あのドリアン」
彼女達もその名前は知っていた。ドリアンのことをだ。
「あれもあるの」
「この国には」
「まさか」
「あるよ、勿論」
「インドにもね」
二人の返答は素っ気無いものであった。
「当たり前じゃないか」
「インドだよ」
やはり平然として述べるのであった。
「そんなのね」
「普通にあるから」
「何なら食べるかい?」
「それも」
「いや、それはちょっと」
「遠慮するわ」
「私も」
だが四人はその誘いには焦った顔で返すのだった。
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