第三十三話 最悪の教師その一
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第三十三話 最悪の教師
優花はクラスメイト達と一緒に件の教師を観ることにした、女子のクラスメイト達は観に行く前に優花に眉を顰めさせて言った。
「いい?絶対によ」
「授業を受けているか担任でもないとね」
「関わったらいけない先生だから」
「出来る限り遭わない様にね」
「観る時も」
「わかったわ」
優花も真剣な、しかも深刻な顔で頷く。
「とにかくとんでもない人なのね」
「そうよ、暴力にセクハラ」
「パワハラの話もあるし」
「お金にも汚いそうよ」
「部活でもやけにお金取るらしいのよ」
顧問を務めているそちらでもというのだ。
「試合に負けたら部員全員丸坊主にさせてね」
「していない人いたら怒って暴れるらしいし」
「しかも自分は丸坊主にはしない」
「そんな人だから」
「本当にとんでもない人ね」
聞けば聞く程とだ、優花も思った。
「学校の先生じゃなかったら」
「そんな先生バイトも無理よ」
「普通に暴力とかセクハラで首だから」
「後輩の娘とかお客さんにしてね」
「そうならないのよ、学校の先生って」
多少以上の不祥事を起こしてもだ、優花に話すのだった。
「だからまだいるのよ」
「この学校にも来たし」
「いい?本当にとんでもない奴だから」
「近寄らないでね」
「顔知られてもよくないわよ」
「わかったわ」
やはり真剣かつ深刻な顔で応えた優花だった。
「そのことは気をつけるわ」
「相手の顔は覚えておいた方がいいから」
「下手に知らないよりもね」
「だからね」
「今から観に行くわよ」
「それじゃあ」
優花も応えた、そしてだった。
学校の職員室の方に行った、すると丁度職員室に入ろうとする一八〇近い背の丸々と太った黒とオレンジのジャイアンツカラーのジャージの男が見えた。
その男を観てだ、女子生徒達はこぞって優花に言った。
「あいつよ」
「あいつが衝夫よ」
「よく覚えておいてね」
「あいつだから」
「わかったわ」
見れば頭はパーマだ、顔は黒く膨らんでいて目は細い。
歩き方が実に独特だ、肩をゆすって歩くそれを観て女子生徒達はまた言った。
「あの歩き方観て」
「凄く偉そうでしょ」
「もう自分が一番偉い」
「そんな感じでしょ」
「あの歩き方は」
優花も衝夫のその歩き方を観て言った。
「ヤクザ屋さんの歩き方ね」
「そうでしょ、もうね」
「傲慢でね」
「肩ゆすって歩いて」
「人は歩き方にも出るっていうけれど」
「あいつヤクザよ」
「何か元々コネで入ったそうなのよ」
そして教師になったというのだ。
「生まれがどうとかね」
「そんな話があるのよ」
実際にというのだ。
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