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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百十六話 内乱の終焉
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た。懸命に堪えると数メートル先まで迫った司令長官が跪いた。そして左右の軍人達が皆一斉に跪く。

「エリザベート様、サビーネ様、ご無事で何よりでした。これよりオーディンへ御連れいたします。御母上方、そして陛下がお二人をお待ちです」
「元帥……」

「それから御父上方の事、御悔み申し上げます。やむを得ぬ事とはいえ、残念な事でございました」
「……」

ヴァレンシュタイン司令長官が立ち上がった。それに合わせる様に左右の軍人達が立ち上がった。
「メックリンガー提督、お二人をオーディンへ御連れしてください」
「はっ」
「アントン、公の下に私を案内してくれ」
「はっ」

父の下? 私は思わず司令長官とフェルナー准将を見た。私の様子に気付いたのかもしれない。
「御安心ください。公の御遺体もメックリンガー提督にお願いする事になります。決して辱めるような事はしません。では失礼します」

司令長官は私を安心させるように言うとフェルナー准将と共に大広間を出て行った。軍人達が皆私達を置いて司令長官に続く中、身だしなみの良い軍人が私達に近付いた。

「エルネスト・メックリンガーです。御二人をオーディンまで御連れします。小官の艦に乗艦していただきます。どうぞこちらへ」
メックリンガー提督が歩き始める。私とサビーネは顔を見合わせその後に続いた。



帝国暦 488年  3月 4日  6:00  ガイエスブルク要塞 エーリッヒ・ヴァレンシュタイン


ブラウンシュバイク公の自室の前に来るとそこにはアンスバッハ准将が居た。一瞬だが原作の事を思い出して不安になった。大丈夫だ、こちらはエリザベートを押さえている。俺を殺せばあの二人の立場が悪くなる。アンスバッハはそんな事はしないだろう。そして公もそんな事を命じるとは思えない。

アンスバッハが敬礼してしてきた。答礼を返すと
「ブラウンシュバイク公はこちらです」
と彼が答え、部屋のドアを開けた。

俺が入る前にリューネブルクが先に入って中を確認した。問題ないのが分かったのだろう。頷いて部屋に入る事を促がす。部屋に入るとブラウンシュバイク公が項垂れて椅子に腰掛けているのが見えた。テーブルにはワインボトルにグラスが二つ置いてある。おそらく服毒自殺だろう。

公は安らかに死んだのか、それとも苦しんだのか、公の顔を上げて確かめるべきかとも思ったが止めた。安らかにしろ、苦しんだにしろ無念の死であった事は間違いない。家族を残して死ぬ事がどういうことか、俺の両親の死顔を見れば分かる。確かめるまでも無い。

「アンスバッハ准将、エリザベート様、サビーネ様はメックリンガー提督がオーディンに御連れします。公の御遺体も一緒に運びますので準備を御願いします。准将もオーディンに同行してください。アン
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