第四幕その六
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「あんたも友達よ」
「その友達のいるお家にね」
「王宮にね」
「帰るのね」
「私もね」
またエリカが言います。
「そうするのね」
「そうね、それじゃあ」
「王宮に帰るわ」
今回の旅が終わってもというのです、お風呂に入りながらそんなお話もしました。お風呂の後は皆ぐっすりと寝まして。
朝はお饅頭、神宝のお国のそれを食べました。後は茶卵と温かいお茶がありました。そうしたものを楽しんで。
出発です、そして九時位になるとでした。
目の前に柵に囲まれた公園みたいな場所が見えました、その柵に囲まれた世界を前にしてです。ビリーナは皆に言いました。
「ここがね」
「ビリーナの国なのね」
「そうよ」
こうナターシャにも答えます。
「ここがね」
「鶏の国ね」
「じゃあ中に入ってね」
「今からなのね」
「そうしてね」
「あっ、看板にね」
見れば門もあります、そこに鶏の国と英語で書かれています。ナターシャはその看板も見て言いました。
「ちゃんと書いているわね」
「そうだね、この柵が覆いなんだね」
ジョージは柵を見ました、マンチキンの木で作られた高い柵です。
「国の」
「つまり壁だね」
神宝もその柵を見て言います。
「街の」
「そうだね、この柵の中に街があるんだね」
カルロスもその柵の向こうに何があるかわかっています。
「そうだね」
「じゃあ門を潜って」
最後に恵梨香が言いました。
「これから訪問ね」
「そうよ」
その通りとです、ビリーナは皆に答えました。
「柵の向こうに国があるのよ」
「柵や壁の向こうにお国があるのは」
ナターシャが言うにはです。
「私達の国ね」
「というか街がお城で国よ」
ビリーナも言います。
「日本以外の国ではそうなのよね」
「お城がお城なのは日本だけなのね」
恵梨香は考える顔になりました。
「姫路城とか大阪城とか」
「ああしたお城は珍しいわよ」
ナターシャはその恵梨香に答えました。
「街を城壁で囲んでいないお城はね」
「大抵の国は街がお城なのね」
「そうなの」
「国で」
「それはオズの国でも同じなのよ」
「だからビリーナの国もなのね」
「ええ、こうしてね」
まさにとです、ビリーナも言います。
「柵で囲んでるの」
「オズの他の国と同じで」
「そうよ、じゃあ入ってね」
「今からね」
「入りましょう」
「あっ、お母さんお帰り」
門のところに行くと門番をしていた二匹の鶏達がビリーナに挨拶をしてきました。見ればその羽根には小さな銃を持っていて頭にはヘルメットがあります。
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