568部分:第八十一話 恐怖の九人その五
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第八十一話 恐怖の九人その五
「あの連中との戦いなんて何でもないさ」
「全くね」
「そうよね、じゃあ」
「あの連中が幾らいても」
またジュネとカサンドラが言う。
「全然大丈夫ね」
「死にはしないわ」
「あの連中にやられて死ぬんだったら」
「修業の時でとっくに死んでるわ」
スカーレットとクレウサもであった。
「絶対に負けないわよ」
「そうね、何があってもね」
「わかったね。じゃあ行くよ」
「それで全員で帰るよ」
「全員で」
「誰一人欠けることなく」
ここで、だった。青銅の者達は二人の心を知った。その優しさをである。
「わかったわ、じゃあ魔鈴さんとシャイナさんも」
「絶対に死なないでね」
「約束してよね」
「おいおい、私達に約束をかい」
「また言うねえ」
今の四人の調子には彼女達も少しばかり苦笑いになった。仮面をしているがそれでも表情はそこから窺い知れるものであった。
「それも死なないでってね」
「可愛いところあるじゃない」
「そう?別にね」
「そうよね」
「私達は別に」
ところがこれは彼女達にはわからないことだった。自分達では中々わからない話である。
「そんなつもりはないし」
「特にね」
「ねえ」
「だったらいいさ」
「それでね」
そして魔鈴とシャイナもそれでいいとしたのだった。
「まあとにかくだよ」
「カルカッタじゃね」
「もうわかったね」
「そういうことだよ」
こう話してであった。今は聖衣を外して戦場から去る。そうしてそのうえでまたカルカッタに向かう旅路へとつくムウ達であった。牛車に乗って。
そしてムウはであった。またあの牛の背に乗りながら牛車の中の彼女達に声をかけるのであった。インドの道はのどかなものであった。
「ところで」
「あっ、はい」
「何ですか?」
ジュネとカサンドラが彼の言葉に応える。
「一体何が」
「何か出て来たんですか?」
「まさかアイオロス様」
「あの方が」
ここで言ったのはクレウサとスカーレットだった。
「来られる!?」
「遂に」
「いえ、そうではありません」
だがそれは否定するのであった。
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