ターン61 墓場の騎士と最速の玩具
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ーとバトルする際にその攻撃力は、レベル差1につき500ポイントアップする!」
「シャドーベイルのレベルは4、だが……!」
「ヴァルバロイドのレベルは12、よって攻撃力は4000ポイントアップだ!」
幻影騎士団シャドーベイル 攻500→4500
「く……こんなカード相手に……!」
「だから言ったろう、このターンで俺が勝つって。行きな、シャドーベイル」
騎士の一閃が、機能停止したヴァルバロイドのコアを最短距離で刺し貫く。そのまま駆け抜けていった後ろで、ヴァルバロイドが爆発した。
幻影騎士団シャドーベイル 攻4500→極戦機王ヴァルバロイド 攻0(破壊)
ラチナ LP4000→0
「こんな、なぜ、なぜだ……!」
「……あばよ、ラチナ。いつか俺もそっちに行くから、そん時はまともになってろよ」
「御許しください、覇王様ぁ……!」
その台詞を最後に、ラチナの姿が消えていく。その様子を黙った見送った後、ケルトが僕の方を向かないまま話しかけてくる。
「今のを見てお前、どう思った?」
「え?えっと……」
「いやすまん、言葉が足りてなかったな。俺はともかく、覇王とやらに一度会ってみたくなったぜ。ラチナはいけすかねえ野郎だったが、どっか俺と似たところもあってな。それが最後の最後まで覇王とやらに惚れ込んで、こんなふうになっちまうとはな」
その時、ようやく気付いた。ケルトの肩が、小さく震えている。どんな表情をしているのかはここからでは見えないけれど、今その背中は泣いている。自分の仲間が隕石のせいで狂い、謎の覇王の僕となって働く姿を見なければいけないというのは、一体どれほど辛い気持ちになるだろう。
「だからともかく、いっぺんそのアホ面拝んでやってな。この礼はたっぷりしてやらんと、な。日が昇ったら俺は出るが、お前も来るんだろ?何かの縁だ、一緒に行こうぜ」
「……もちろん」
振り返ったケルトの顔には、先ほど背中に見えた悲哀などまるで感じさせないいつも通りの不敵な笑みが浮かんでいる。だから僕も野暮な事は言わずただ頷いて、長い夜が明けるのを元通り静かになった森の中で待ち続けた。
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