ターン61 墓場の騎士と最速の玩具
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幻影騎士団シャドーベイル 守300→0 攻0→500
幻影騎士団シャドーベイル 守300→0 攻0→500
SRシェイブー・メラン 攻2800→幻影騎士団シャドーベイル 攻500(破壊)
ケルト LP4000→1700
「ぬおおおおおっ!」
「2体残した貴様らにも消えてもらおうか。メイン2にトラップカード、爆導索を発動。このカードの存在する縦一列にあるカード全て……シェイブー・メランとシャドーベイル、そして王宮の鉄壁を破壊する」
「何っ!?」
シャドーベイルの無限蘇生のカギを握っていた王宮の鉄壁が同時に破壊されたことで、今破壊された方のシャドーベイルはゲームから除外されてしまう。これで残りのシャドーベイルは、墓地に存在しているのとフィールドに残るものの計2体のみだ。
「ターンエンドだ。もはや大勢は決した、サレンダーしろ……かつての戦友に対する最後の情けだ、このままその人間を引き渡すというのなら、これ以上こちらも深追いはしない」
確かに、場の状態だけ見ればもっともな話だ。それは、当事者たる僕も認めざるを得ない。そもそもケルトが今戦っているのは、ついさっき会ったばかりの僕のためだ。そんな行きずりの相手に、ここまで命を懸けてくれただけでもすでに十分すぎておつりがくるレベルだ。
だがケルトは、あくまでもにやりと笑ってみせる。最初のターンに見せたのと同じように不敵に、胸を張って立ち上がる。
「寝言は寝て言え、馬鹿。やっぱりお前は俺の知ってる闘神ラチナじゃねえな、昔のお前ならそんなくだらねえ質問なんて考えすらしなかったろうぜ」
「そうか。その世迷い事はともかく残念だよ、どうやらお前のことを買い被っていたようだ。鬼神ケルトにも、自分にとってどちらが得な道かを選ぶ頭ぐらいはあると思っていたんだがな」
「損得じゃねえよ、こういうのはハートの問題だ。てめえらはおかしくなってる、だから俺は戦う。それが昔のよしみで俺がしてやれる唯一のことだからな」
「我々が変わったというのなら、それは紛れもなく進歩したんだよ。いつまでも懐古趣味に拘っている鬼神殿とは違って、ね」
ケルトはこのデュエルが始まる前から何回も、ラチナが昔から変わってしまったと言い続けている。当の本人は取りつく島もないけれど、今のケルトの心中は一体どうなっているんだろうか。変わってしまったがゆえに、そして自分だけが変わっていないがために感じる悲しみ……もしかして、先代ならケルトの気持ちが理解できたんだろうか。かつての仲間もすでに死に絶え、唯一残った地縛神は5000年の間に僕が知るチャクチャルさんになっていて。そう考えると、あの男も憐れむべき奴だったのかもしれない。
……いやいや、僕は何を考えているんだ。先代が悲しもうが嘆こうが、それは全て自業自得
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