564部分:第八十一話 恐怖の九人その一
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第八十一話 恐怖の九人その一
恐怖の九人
ムウと狂闘士達は対峙を続ける。その中で、であった。
「まだ名乗っていなかったな」
「そうだったな」
「そうですね」
ムウもまたそのことを認めた。
「それはまだでした」
「それではだ。名乗るとしよう」
「我等の名を」
「それでいいな」
「はい、それで御願いします」
ムウは彼等に対しても穏やかな態度を崩さない。その礼儀は守っていた。
そうしてその声で彼等に返すとだった。こう述べてきたのであった。
まずは中心にいる精悍な黒い髪と目の男がだ。こう名乗った。
「公爵、パイモンのゼツ」
「侯爵、バラムのメリエル」
続いて赤い長髪の青年が名乗った。目は青い。
「侯爵、アンドロマリウスのナルサス」
三人目は緑の髪と目をした男である。
「伯爵、アンドラスのシャロン」
鋭く強い紫の目をした紫髪の男だ。
「伯爵、バルバトスのサン」
白く長い髪をした女だ。それに対して目は漆黒だ。
「伯爵、デカラビアのミンツ」
オレンジの髪に青い目の男だ。
「子爵、モラクスのシゲン」
大柄で短い金髪に碧眼の岩の様な顔の男だ。
「男爵、フェニックスのレニー」
薄紫の髪と紫の目の少女である。
「公子、ヴァルフォレのレオンハート」
最後は黒髪の少年だ。この九人であった。
「我等九人リーヴェ様の命に従い」
「アリエス、そして貴様等全員をだ」
「ここで倒す」
こう宣言した。そのうえであらためてムウを見据えるのだった。
ゼツが一歩前に出た。そのうえでムウにまた告げる。
「まずは俺がだ」
「貴方がなのですね」
「そうだ、貴様を倒す」
こう彼に告げるのだ。
「いいな、それではだ」
「はい、では」
こうして戦おうとする彼等だった。しかしここでインプ達が彼の前に出て控えてだ。そのうえでこう彼に対して言うのである。
「御前達か」
「はい、お待ち下さいゼツ様」
「ここは我等にお任せを」
こう言うのである。彼の前に控え言葉は必死のものであった。
「アリエスには先の戦いで多くの同志を倒されています」
「ですからここは何としても」
「あの者達の仇を晴らさせて下さい」
「仇か」
それを聞くとだった。ゼツの言葉が止まった。そうしてだった。
「わかった。それではだ」
「宜しいのですね、それで」
「我々に任せて下さって」
「同志の仇を取ることは我等狂闘士の絶対の掟」
それを言うのである。このことは彼とてもよくわかっていることだった。何故なら彼もまた狂闘士であるからだ。それが最大の理由である。
「それに逆らうことは誰もできない」
「ではそれで」
「やらせて頂きます」
「頼んだぞ、それではだ」
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