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魔法少女リリカルなのは Searching Unknown
第五話
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く、彼にとって生き地獄のような日々。しかし彼は、その地獄の中で光を掴むべく、終わりの見えない戦いに身を投じていく。

「まだや、まだ俺は終わりやないぞゴルァッ!」




 その頃、あの男は、とある打ち捨てられた管理外世界にいた。

「よぉ、また会ったなぁ……ビスカイトさんだっけか」
「……久しいな。再会を喜んでいいのかはわからんが」
「俺は嬉しいぜ?ようやく見つけたわけだしなぁ……仕事抜きで『本気』で喧嘩できる奴をよォ……」
「とんだ物好きもいたものだ……」

 闇の書事件の際に相対し、自信と文字通り死闘を繰り広げた『彼』と向き合っていた。もともとは上層部から下された別の任務で立ち寄った先だが、退屈を嫌うフレディからすれば格好のターゲットなのだろう。

「面倒くせぇし、固いことは抜きにしようや、『不死者の一族』の末裔とやらの本気は、あんなもんじゃねぇんだろ?」
「……断るといっても、聞きはしないのだろうな。いいだろう、かかってくるがいい」

 ビスカイトは素手である。フレディに合わせたのか、はたまた違う理由かは定かではないが。

「そうかい、そんじゃ、遠慮なくやらせてもらうわ」

 フレディがそうつぶやいた刹那、彼はビスカイトの目前に迫っていた。しかしビスカイトは焦ることなく、彼の突き出す右の拳に左の拳を合わせる。どれほどの勢いで激突したのか、衝撃波のようなものが周囲にとてつもなく広がっていく。

「クククッ、しびれるねぇ……そうだよ、そうじゃなきゃ意味がねぇ、俺がここに来た意味がねぇ!」
「私を探していたというのか……ご苦労なことだ」
「あんたも人のことは言えないんじゃないのか?目を見ればわかる」

 心の底から楽しみがあふれ出てくるようなフレディと、呆れ返りつつも緊張は緩めないビスカイト。

「私は自分から戦いだけを求めることはない。相手から求められれば私も騎士である以上、受けない理由はないが」
「そうやってごまかすのもその辺にしようや。楽しそうだぜ?今のアンタ」
「罪のない、戦闘能力もない市民をただ殺すよりはやりがいはある。そこは否定しない。それに……」

 そこでいったん言葉を切ったビスカイトは、先ほどのフレディと同じように一瞬で彼の懐に飛び込むと、右拳を鳩尾めがけて打ち込む。しかしフレディは同じ位置に左拳を打ち込んで防いだ。

「こうやって本気で戦えるなど、どれくらいぶりか私も忘れていてな。今この瞬間だけは、全霊で貴殿をお相手致そう」
「クッククク、やっぱそうじゃねぇか。アンタも飢えてたんだろ?本当に強ぇ奴と本気で殺し合いができる瞬間をさ」

 フレディはそう投げかけると間合いをとる。

「さぁて……不運と踊っちまおうぜ!」
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