38話 途切れた1つの想い 3.12
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* 月 グラナダ市 3.12
グレミーはグラナダ市の4つ星のホテルに宿を取っていた。戦力としては余りに乏しいグレミー艦隊はいち私兵として動く上で民間企業への転進が大きな勢力からの脅威を防いでいた。商談に次ぐ商談で着々とグレミーは企業としての幅を月まで広げていた。
部屋はそれ程広くはないシングルルームを取っていた。ベッドと椅子テーブルがある。その部屋にグレミーが座り、ジュドーとプルツーは立っていた。
グレミーの表情は険しい。帰属意識の組織が希望した地球圏の帰還は望郷の念からであることからジュドーとプルツーのもたらされた情報はそれに反することだった。
「地球圏からの離脱だと?」
グレミーは部屋の椅子より身を乗り出す様な仕草を見せては直ぐに腰かけた。ジュドーが取りまとめたレポートをグレミーに渡した。
「これは?」
グレミーが問うとジュドーは明確に可笑しな返答をした。
「オレたちが乗ってきたジオングにはギレンの遺産というべき意思が載っていた。それを書き上げただけだ。だがオレもそれが良いと思う」
ジュドーの隣に並んでいたプルツーも頷いていた。
「元々農業・・・第一次工業生産を基軸にしたグレミーカンパニーだ。ジオンの勧めは宇宙に出ることで地球に帰ることではない」
「プルツーの言う通り。オレたちは地球というお母さんに甘えていたんだ。ギレンはそれを実現しようとし、連邦にチャチャを入れられたのさ」
グレミーは書類に目を通した。ギレンの統治は地球連邦内から抜け出た組織の確立。しかしながら今のグレミー軍というべきかアクシズの当時は地球圏の帰属意識が根強かった。その為の独立戦争の仕掛け、統制でもあったのかもしれないとグレミーは考えた。
「・・・総帥は苦労していたんだな。連邦よりも強大な敵と対峙していた。地球というゆりかごに・・・」
グレミーは書類をテーブルに置いて宙を仰いだ。
「ふう・・・かくも私も皆の熱気に当てられ地球にこだわり過ぎていたのかもしれない・・・」
グレミーは姿勢を正し、ジュドーに向き合った。
「して、このマシュマー・セロ、キャラ・スーンたるもの。火星の先遣隊としてアステロイドベルトより持ち出したフィフスルナを中継地として今も活動中だと聞くが・・・」
ジュドーが頭を掻いて困った顔をした。
「そうなんだけどな。ここに来る前に協力してもらう為チラッと通信をしてみたんだ。元々ギレンの尖兵だからな」
「それで?」
「絶不調に終わった。アイツらは頭がイカれてる」
グレミーは不思議そうな顔をしていた。
「・・・それはどういうことだ?」
プルツーが代わりに説明した。
「マシュマー、キャラともジオンや地球圏など興味ないとさ」
ジュ
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