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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十九話 フィオーナ艦隊が出撃します。
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す。」と断ってから、それを丁寧に持ち上げて検討し始めた。二人は邪魔にならないようにそっと座っていた。
「・・・・積極攻勢、ですか。」
キルヒアイスは顔を上げ、穏やかな眼を二人に向けた。
「それでこそ、フロイレイン・フィオーナ、フロイレイン・ティアナお二人らしいお考えだと私には思います。私としても異存はありません。」
「あなたは参謀長です。ですが、ご要望があれば一時的に前線指揮官として配置換えをしても良いと思っています。どうなさいますか?」
「お二人のよろしいようになさってください。武勲を立てたいというのはラインハルト様と私の個人的な希望で有って、それがお二人の作戦指揮に優先する事項ではないのですから。」
言葉だけではないことは、キルヒアイスの表情と目で見ればわかる。彼は心からそう思っているのだった。フィオーナとティアナは顔を見合わせたが、結局この場では結論が出ず、後日に持ち越すこととなった。それにもう一つ、問題があったのである。
カール・グスタフ・ケンプ准将がフィオーナ艦隊のワルキューレ部隊の指揮統括を行っているのだった。本来であればラインハルト麾下に所属する提督ではあるが、今回彼が異動してフィオーナ艦隊の下に配属されたと聞いた二人は驚きとショックをもって彼を迎え入れたのだった。まして彼はサイオキシン麻薬摘発捜査の時に憲兵隊上官として二人と共に働いた仲である。その後彼はワルキューレ空戦部隊の部隊長として武勲を重ね、艦隊ワルキューレ部隊の統括指揮官となったのだった。また、ヴァンフリート星域会戦において陸戦隊の指揮官だったリューネブルク准将が、今は少将としてここにきているのだった。
「困ったわね。ケンプ准将やリューネブルク少将が私たちの指令を聞いてくれればいいのだけれど、どうなるのかしら・・・・。」
考え込むフィオーナだったが、今更配置転換も何もできない。どうしようもこうしようもなかったが、とにかく今は前に進むしかなかったのである。
それにもう一つ問題があった。ブラウンシュヴァイク公爵陣営にいるベルンシュタイン中将の事である。ラインハルトから派遣されてきているフィオーナ艦隊について、転生者である彼がどう出てくるか、フィオーナたちは一抹の不安を覚えないわけではなかった。ベルンシュタイン中将は転生者であり反ラインハルト派だ。今やイルーナ以下の親ラインハルト派転生者たちはそのことをはっきりと悟っている。転生者である以上、第四次ティアマト会戦の時のラインハルト艦隊の敵前転進を知っているベルンシュタイン中将はその対策をしているに違いなかった。その裏をどうかくか――。
フィオーナたちはこの戦いを一つの正念場としてとらえていた。対リッテンハイム侯爵との戦いであるが、対転生者の戦いでもあるのだ。
帝国歴486年11月19日
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