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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十九話 フィオーナ艦隊が出撃します。
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ッタのごとくはいつくばる勢いで懸命に謝った。ミュッケンベルガー元帥もとりなしたので、その場では事は収まったが、どうも先行きが思いやられる空気になってきていた。
 結局会議では積極攻勢どころか積極的発言をするものさえほとんどおらず、具体的決定はラインハルトからの援軍到着を待ってから、という理由の下、会議は次回に持ち越しになったのだった。
ベルンシュタイン中将は一人憮然とした表情で会議室から下がってくるところをアンスバッハ准将に呼び止められた。
「何でしょうか?」
「少しお話があります。お付き合いいただけませんでしょうか?」
後ろにはフェルナー、シュトライトと言ったブラウンシュヴァイク公爵の主だった家臣たちと将官が顔をそろえている。
「伺いましょう。」
ベルンシュタイン中将は言葉少なくそういった。一同はアンスバッハが用意した防音個室にこもった。酒もなく料理もなく、あるのはただ喉を潤す水くらいなものである。その水を勢いよくグラスに注いでぐっと飲みほしたアンスバッハが大息を吐いた。
「卿にしては随分な飲み方だな。」
シュトライト准将が言う。
「失礼。どうもこうしなければやりきれない部分がありましてな、見苦しいところをお目にかけた。」
「気になさる必要はありますまい。誰しもが思っていることはほぼ同じであると小官は推察いたしますが。」
と、フェルナー大佐。
「なんだそれは?」
と、フォーゲル少将が険のんな表情を浮かべる。
「つまりは、今のままではリッテンハイム侯爵にとどめを刺すことはおぼつかないということです。ブラウンシュヴァイク公が酒宴をおやめになり、ミュッケンベルガー元帥と歩調を取って戦わない限りは、ですが。その原因をもっと突き詰めれば、我々の陣営に多く加わっている生粋の貴族連中の進退でしょうな。」
居並ぶ者は一斉にと息を吐いた。フェルナー大佐のあけすけな言葉が出席者の大部分の心情を代弁していた。
「ラインハルト・フォン・ミューゼル、いや、今やローエングラム伯ですが、そのローエングラム上級大将閣下麾下の精鋭を融通してもらわなくては、リッテンハイム侯爵と対決はできないでしょう。」
「いや、それはない。むしろそれは危険だ。」
と、素早く言ったのはベルンシュタイン中将だった。日頃あまり表だって発言しない中将がいつになくそう言ったことが一同の耳目を集めた。
「それはどういうことですかな、ベルンシュタイン中将閣下。」
アンスバッハの問いかけに、ベルンシュタイン中将は視線を一同に向けながら、
「あのローエングラム伯の力量はなるほど素晴らしいものだ。それは私も認める。だがあの方は並々ならぬ野心を秘めておられる。いずれ姉に対する皇帝陛下のご寵愛をかさに、もっと高位な、それも万人が手を触れてはならぬ地位にまで手を伸ばそうとしている節がある。
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