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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#30
ETERNAL PUNISHMENTU〜Change Your Way〜
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マージョリーでなければ成せない術。
 直接でなくとも累乗誘爆により、外れても勝敗が決する局面、
その悪魔の火力は上空で無効化した。
 コレが自在法、或いはスタンド能力そのものなら結果は違ったのかもしれない。
がしかし、強大な威力とはいえあくまで 「兵器」
外部衝撃による起爆性の高さはどれも一律。
 故にこの局面に於いて、膨大な炎気を広域に放出出来るマージョリーほど
「相性」 の良い者もいない。
 焔儀発動、その最中、自分を守護してくれる者がいれば
相手の反撃を気にする必要もない。
 この事実を、誰よりも深く実感し、驚愕に躰を揮わせていたのは
他ならぬ美女本人。
 今日この日までたった一人で戦い続け、戦力は向上したものの
そのままでは決して辿り着けない新たな領域。
(出来、た……)
 菫色の瞳を瞠り、痺れにも似た感覚が全身に走る。
 先述したように、この焔儀は敵も味方も巻き込む自爆技、
有効で在ると同時に自らも抜き差しならない状況をへと追い込む「諸刃の剣」
 その禍々しい刀身の片刃が、見事なまでに脆く崩れ落ちた。
 文字通り蒼針(ハリ)の豪雨に見舞われ、細孔(アナ)だらけとなった
シンガポールの街並み。
 頽廃的というより寧ろグロテスクな、総身が粟立つような光景。
 しかしその極々一部だけ、美女と少年の周辺だけ、
神の祝福を受けた 『聖域』 のように災禍を免れていた。
 コレは、マージョリーの経験と技量を以てすれば当然と云える結果だが、
それ故に美女の(ふる)えは止まらない。
 短慮なる想いつきの攻撃、訓練を積んでないぶっつけ本番の焔儀等
「常勝」とは一番遠い所に位置するモノ。
 歴戦のフレイムヘイズ、ましてや戦闘に於ける妥協を一切許さない
マージョリーにしてみれば暴挙を通り越した愚行と断じても良い。
 だが自分はそのような可能性の薄い選択を実行した、
出来ると想った、コレしかなかった、というより躰が勝手に動いた。
 死中に活、背水の陣など実力の伴わない者が縋る最後の詭弁(きべん)だと
一笑に付してきた今日迄。
 しかしソレが、飽和状態だと想っていた己の力に新たなる道を指し示した。
存在すらしなかった広大な闇に篝火(かがりび)が灯ったようだった。
(こんなに……違うの……?)
 自らの力を誇示して(ほしいまま) に暴れ回るコトと、
「誰か」 の為に限界をも超える意志。
 前者は、誰でも出来る。力に溺れて熱情に浮かれて、
想いのままに破壊を繰り返せばそれで良い、強さも弱さも関係ない。
 しかし後者は、一切の甘えは許されない、自身の「限界」すら関係ない、
死の決意をして挑んでくる者はいるが、こちらは 『死ぬ事すら赦されない』
 瞳に映る、一人の少年。
 そう
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