第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#30
ETERNAL PUNISHMENTU〜Change Your Way〜
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た以上、戦いの全責任は自分に有ると想った。
「――ッ!」
網の目のように張り巡らせたスタンドの触手が、大気の唸りを捉えた。
まるで見当違いの方向、しかしソレは暗雲の中で飛行する
空襲のような危機感を彼に抱かせる。
「出ましょう! ミス・マージョリー! 閉じ込められますッ!」
「え? でも何発か待った方が、多分当てずっぽうでしょ?」
出し抜けに手を握って階段を駆け上がる美男子に、
美女が頓狂な声を返す。
「 “狙い” なんか関係ありません!
“スベテ吹き飛ばす” 気ですッ!」
木のドアパネルを蹴り開き、路上へと駆け抜けた瞬間に爆音。
無差別テロのように折り重なる轟音。
先刻まで潜んでいた建物は疎か、炎獣が配置された場所まで
軒並み火の海に包まれた。
周到にも、追撃を数度行って。
先の砲弾など、較べモノにならない破壊力。
構造の中枢を精密に砕かれたビル群は、
そのまま自身の重量を支えきれず砂糖細工のように上層から崩れ去った。
『21pネーベルヴェルファー42型・RC』
第二次世界大戦時、ナチス・ドイツによってその原型が開発され、
ヴェルサイユ条約下でも保有が制限された多連装ロケットランチャー。
砲身内径214.5o、砲身長1300o、重量605s、
有効射程は10000メートルを越える制圧兵器である。
その特性と重量故、持ち運びに難のある代モノではあるが
ジョンガリ・Aの持つコネクションと軍事技術により、
分解したパーツから組み直すコトは充分に可能
(ティリエルの協力を仰げばその必要すらないだろう)
そしてその悪魔的な火力をスタンド能力と組み合わせれば、
複数の標的を同時に殲滅するコトも容易いのだ。
(炙り出された……ッ!)
マージョリーの手を引いたまま路上を疾走する花京院、
だがその存在は既に闇の鷹、魔の射程に完全に捕らわれているコトを察知する。
やはり敵は、 『能力』 の優位性に頼った暗殺手段など用いてはこなかった。
その詳細がバレようがバレるまいが、
圧倒的火力で 『策 』 ごと焼き尽くす算段。
スタンドや自在法と違い 「兵器」 にルールなどない。
今度は先刻6倍以上の火力が自分達に容赦なく降り注ぐ。
なんとか避け得る手段は!? せめてマージョリーだけでも……!
焦慮に喘ぐ美男子の心中を、美女の声が緩やかに宥めた。
「ノリアキ、 『許可』 くれる?」
「え?」
集中砲火を浴びるので立ち止まるわけにはいかず、
だが思考回路は演算を続けたまま花京院は返す。
「コレから遣うの、見た目は派手だけど
威力はそうでもないから人間に当たっても修復出来る。
敵の攻撃がどこから来るのか解らなくて、その対処に困
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