560部分:第八十話 川辺においてその四
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第八十話 川辺においてその四
「それは断っておく」
「しかしこの料理は」
「貴方がだな」
「そうだ。俺は料理も得意なのだ」
そうしているというのである。これは辰巳の意外な趣味であった。
黄金聖闘士達もその趣味を知り。あらためて驚いた。
「ただの親父だと思っていたが」
「違ったのか」
「まあ今日は蛸料理を楽しんでくれ」
とりあえず今日は、というのであった。
「いいな、それではな」
「よし、それじゃあな」
「今日はな」
「そうしてくれ」
また言う辰巳だった。彼等は今はその馳走を楽しんでいた。
その頃ムウはというと。一行と共に夜の店に入っていた。そこで夕食を食べていた。やはり夕食も所謂カリーと呼ばれるものであった。
それを指で食べながらだ。シャイナが言ってきた。
「これで中間を超えた辺りかね」
「ああ、確かそうだよ」
魔鈴もまたカリーを食べながら応えた。
「もうその辺りだよ」
「思ったより早いね」
それを聞いたシャイナはこう述べた。
「もう中間を超えたなんてね」
「そうだね。ただね」
「狂闘士だね」
「そうさ、問題は連中だよ」
彼等だというのである。
「何時出て来るかわからないね」
「そうだね。ただね」
ここでまた言うシャイナだった。
「それは近いよ」
「来るタイミングだね」
「そう思うけれどね」
シャイナはそう見ているのだった。彼等の動きをある程度読んでいるのだ。そのうえでの今の彼女達のやり取りであった。それをしているのである。
「そろそろね」
「来るね」
「ああ、来るね」
両者は互いに言い合う。
「じゃあその時はね」
「やらせてもらうとするかい」
「あっ、私達が」
「そうよ、私達もいるのよ」
「それを忘れないでよ」
このタイミングで青銅の四人が出て来た。そうしてそのうえで二人に対して言うのであった。その言葉遣いはやや必死の赴きがあった。
その言葉でだ。彼女達はさらに言うのであった。
「魔鈴とシャイナだけじゃないんだからね」
「私達だっているんだから」
「そりゃね、強さでは負けるけれど」
「顔も。負けてるけれど」
魔鈴とシャイナの顔を見ているとだった。そのことも否定できなかった。魔鈴もシャイナもその顔もまたかなりのものであったのである。
「それでも私達だっているんだから」
「やらせてもらうからね」
「意地があるし」
「ああ、是非頼むよ」
「あんた達もね」
白銀の二人も彼女達の言葉を受けて述べた。
「実際聖闘士なんだからね」
「頼りにさせてもらってるよ」
このことを彼女達に告げた。
「いいね、それじゃあ」
「そのかわり死んでもらったら困るよ」
それもだというのである。彼女達に死ぬなというのだ。
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