second contact
ep.029 誘拐
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「おかしい....。」
桐崎が少々慌てている。
その理由は他でもない野口のことだ。
「影縫、お前の方は見つかったか?」
影縫はノートPCをカチカチ叩きながら、野口の行方を探していた。
「今のところ、野口ッチの携帯端末の電波を電波探知型ウイルスで探してんだけど.....ご覧の通りさ。」
桐崎がノートPCの液晶を覗くと、そこには"ERROR"とだけ書かれていた。
「クソッ!!」
『野口が失踪してから既に3日が経過している。 こんな状況で数日どこかに行って連絡を出さないようなこと野口はしない。』
その途端、桐崎と影縫の脳裏には自分たちの考える最悪の展開が思い浮かんだ。
しかし、それが真実だとしてもobjectの計画は止めなければならない。
そのためにも今は野口のことより他のメンバーのことを考えなければならなかった。
「なんだ? 湿気た面してるじゃねぇか。」
2人の空気を掻き消すように神薙が来た。
その表情は1ミリの不安も感じられない。
「心配しなくても話は聞いたさ。 どうせ野口のことだから"重役出勤というやつだよ"なんて言って帰って来るんだろうさ。」
神薙の言葉に桐崎と影縫はクスクスと笑う。
野口ならいかにもそう言いそうな気がしたのだ。
神薙は野口が失踪してから、連合内の淀んだ空気を明るく保つためにそれぞれを回って鼓舞していた。
神薙は野口と2人で組織を始めた。
そのため、野口がいない時は自分がstudentを支えなければならないという責任を感じていた。
しかし、そんな空気は一瞬にして終わる。
studentの基地の一角が大爆発を起こしたのだ。
「くっ......どうした、何があった!!」
影縫のノートPCに基地の全体図が表示され、一部のポイントが赤く光っている。
「襲撃された! しかもこの区画には"仁くん"と"佳奈ちゃん"、それに"七草ッチ"もいるぞ!」
影縫の情報を聞くと桐崎はフェニックスに変異する。
神薙はフェニックスに変異した桐崎に乗る。
「雑な運転になるぞ。」
「構わねぇ、振り落とすくらいの勢いで行け!」
フェニックスは風を切りながら飛び立つ。
桐崎にしては珍しく乱暴な飛行だが、乗っている神薙に振り落とされる気配はない。
『待ってろよ..今向かってるからな。』
その頃ー
仁は佳奈と七草と3人で居たところを襲撃され、建物の破壊の衝撃で佳奈と七草は気を失っていた。
「くっ......アンタ達は何者だ!」
質問をするが答えは既に仁の中で出ている。
つまり、これはあくまでも時間稼ぎに過ぎない。
しかし、仁は一歩も動かなかった。
いや、動けなかった
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