暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第3章:再会、繋がる絆
第75話「お礼」
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え足場で即座に体勢を立て直したとしても、それでも少しの時間だけ遅くなる。あの暴走体...そこまでわかっているっていうの!?)」

 椿を適度にあしらい、その間にユーノを仕留めようとする暴走体。
 理性がない故の合理的行動なのだが、それが二人にとってはとことん厄介だった。

「くっ...!」

 体勢を立て直し、椿は再び斬りかかる。
 しかし、それは躱され、背後から反撃が繰り出される。
 それを足場に手を付き、倒立する要領でそこから飛び退いて回避する。
 ...が、そこへ魔力の衝撃波が飛び、椿は再び離される。

「ユーノ!」

「ぐっ...くっ....!」

 暴走体は再びユーノに襲い掛かる。
 魔力弾ではなく、移動魔法を利用した物理攻撃にユーノは翻弄され...。

     パキィイン!

「ぐ、がはっ...!?」

 ついに防御魔法が破られ、まともに一撃を喰らってしまう。
 バリアジャケットのおかげで、その一撃で流血などはしなかったが...。

     ドンッ!

「が、ぁっ...!?」

 そのまま柱に叩きつけられ、その衝撃でユーノは吐血してしまう。

「っ、このっ...!」

 体勢を立て直した椿が、矢を放ちながら暴走体へと接近する。
 しかし、矢は躱され、距離もまだ遠かった。

「は、ぁっ....ぐぅぅぅ....!」

 追撃とばかりに暴走体はユーノへと襲い掛かる。
 叩きつけられたダメージを負ったまま、ユーノは咄嗟に防御魔法を張るが...。

「ぐ、ぅ...!(耐え切れない...!)」

 徐々に広がる罅。このまま突破されるとユーノは確信してしまう。

「させないわよっ!!」

 そこへ追いついた椿が暴走体へ斬りかかる。
 躱され、再び魔力で吹き飛ばされそうになるが...。

「っ、“霊撃”!」

 同じく霊力の衝撃波で相殺し、ユーノを庇うように割り込む。

「ぐ、くっ....!」

 短刀とパイルスピアが拮抗する。
 しかし、暴走体はそれだけで終わらない。

「っ、“霊壁”!!」

 防いでいるパイルスピアの穂先が光る。
 瞬間、椿は咄嗟に霊力を壁のように固める。
 ...そこへ、一筋の閃光が突き刺さり、魔力の衝撃が徹って椿はダメージを受ける。

「ぐ、ぅ....!」

 一筋、二筋と、一度だけでなく何度も放たれる閃光。
 椿はそれを何とか適格に霊力で防ぐが、威力を殺しきれずにダメージが蓄積する。
 しかし、それでも椿はユーノを庇っているため、動けない。

「(まずいわ....!このまま、だと...!)」

     ドンッ!

「うぐっ!?」

「きゃぁっ!?」

 “やられてしまう”
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