第3章:再会、繋がる絆
第75話「お礼」
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た作ればいいか。)」
奏ちゃんで成功したという事は、魔力結晶があればなのは達も魅了を解除できる。
...例えそうだとしても、魔力量に応じて必要な魔力が指数関数並みに増えるのは些か理不尽に思えるのだけど...。
「.....大丈夫か?」
「......。」
光が治まり、へたり込んでいる奏ちゃんに声をかける。
...あ、夢の世界に亀裂が走ったからか銀髪に戻ってる。
「....“優輝”さん.....なの....?」
「.....ああ。志導優輝...前世の名前は、現世と同じだ。...どちらかというと、現世が前世と同じ名前だと言うべきか。」
茫然と言った形で僕を見上げる奏ちゃん。
「...どう...して、今まで....。」
「...魅了による弊害だろう。まさか記憶にまで影響を及ぼすものとは知らなかったが。」
頭を抱えて、どうして今までわからなかったのかと俯く奏ちゃん。
「...聞かせてくれるか?どうして、転生してしまったのか。」
心臓の移植は、例え適性が高く成功しても、寿命は短い。
できれば、その寿命ぐらいは全うしてほしいけど...。
...それなら、転生するとは思えない。あれって、大抵がイレギュラーな死が理由で転生させてくれるのだから、普通に死んだ場合はそう簡単に転生するとは思えない。
「.....はい....。」
小さく呟き、奏ちゃんは語り始める。
心臓移植は僕のおかげで無事に成功し、退院できた事。
その後は、この空間にもある孤児院にお世話になっていた事。
子供の世話をし、そして僅か十年程で心臓に限界が来て死んでしまった事。
「....そっか...。」
奏ちゃんは、心臓のもつ限り天寿を全うしていた。
...でも、だとしたらどうして転生を...。
「....っ!そういう事か...。」
僕はイレギュラーな死で転生した。そして、奏ちゃんはそんな僕の心臓で助かった。
...つまり、“奏ちゃんが僕の心臓で助かる事”自体がイレギュラーだった。
だから、その十年後に死んだ後に転生する事になったのかもしれない。
...確証はないし、そう考えると奏ちゃんはあそこで死んでしまう事になるけど...。
いや、もしかしたら他にドナー提供者が見つかるかもしれないし...。
「転生する時の事は覚えているのか?」
「....はい。...ただ、転生してから魅了を...。」
「...転生の理由は?」
「えっと....。」
聞けば、僕の推測はほとんど当たっていた。
存在そのものがイレギュラーになったので、人生のリトライという事らしい。
特典は態々やり直すからと、餞別としてくれたらしい。
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