第3章:再会、繋がる絆
第75話「お礼」
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るはずだが...。」
「っ......。」
よくよく見れば、奏ちゃんは僕と同じ気配がするし、この世界の中心なのもわかる。
だから、ただの夢の住人じゃないのは間違いない。
...そう考えていたら、奏ちゃんは何かの痛みを感じたのか、片目を瞑る。
「っ...何か....何か、忘れている...よう、な....?」
「(...“僕”が固まっているな。“僕”ならば何かしら行動を起こしているはずだが...。)」
苦しんでいる奏ちゃんから目を離さずに“僕”を見る。
...奏ちゃんが今ああなっているから固まっているのか?
「魅了の弊害による記憶障害....リヒトとシャルはどう思う?」
〈私も同意見です。〉
〈同じく。魅了の効果は原因に対して妄信的になる事。...重要なファクターとなる人物の記憶が上書きや消去されていてもおかしくありません。〉
リヒトとシャルに意見を聞いてみるが、同じように魅了の弊害という推測だ。
魅了は誰かが好き...デバイスの場合は主を信頼していたら無効化されるという事は、奏ちゃんには好きな人はいなかったのだろう。
...ただ、シャルの言った事が正しいのなら、少なくとも“僕”に何かしら大きな感情を抱いていたのだろう。
「そうか....なら。」
僕はリヒトに収納しておいた魔力結晶を取り出す。
奏ちゃんの魔力はなのは達に比べて比較的少ない。だから...十個ぐらいでいいか。
「自らの志を見失いし者よ、今こそ思い出せ...!」
〈“G?ttin Hilfe”〉
「なに、を....!?」
久しぶりにリヒトを杖の形態にし、魔法陣を展開する。
魔力結晶が共鳴し、僕の魔力不足を補い、奏ちゃんを術式の環が囲う
シャルにも制御を手伝わせ、大魔法の負担を軽減する。
「女神の救済という意味を冠する魔法だ。....戻ってきなよ、奏ちゃん。」
「ぁ....ぁあああ....!?」
奏ちゃんが光に包まれ、彼女は声を上げる。
同時に、夢の世界に罅が入り、“僕”の姿が欠ける。
その光景は、さながらグラスが割れてそれに描かれていた絵が崩壊するかのようだ。
「....ちょっと無理矢理だったかな?」
緋雪の時は暴走してたからだったけど、この子の場合は苦しんでいただけだ。
それなのにいきなり魔法をかけるのは...なんか...うん。罪悪感がある。
...まぁ、成功したしいいか。
「(魔力結晶...だいぶ減ってきたな。)」
作り置きしておいた魔力結晶は、既に半分以上が使われている。
おまけに他の皆にも渡してある。...この事件で一度なくなるかもしれないな。
「(...まぁ、ま
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