第3章:再会、繋がる絆
第75話「お礼」
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てを...ね。さすがに内部構造が一般に知られていなく、複雑な建物とかは再現しきれていないだろうけど...。」
〈...この世界に囚われているのは奏様ですよね?〉
「そうだ。...だからこそ、気になってな...。」
あまりに条件が合いすぎている。...と、言うより僕が目を逸らしていたと言うべきか。
これほどまでに共通点があって、“違う”と言える訳がない。
「....奏と僕の前世の知り合い“奏ちゃん”は同一人物...。というか、“奏ちゃん”が転生したのが今の奏というべきか。...その可能性が高い。」
〈それは...なんとも奇妙な縁ですね...。〉
「そうだな...。」
前々世にシュネー、前世に聖司と奏ちゃん...ホント、奇妙な縁だな。
...ちなみに、リヒト達には既に聖司について教えてある。
〈緋雪様に司様に奏様...ここまで集うとは....“導き”でもあるのでしょうか?〉
「...導王な僕にはあまり冗談とは思えないな。それ。」
変に捉えれば僕が導いてしまっているから転生したとも思えてしまうぞ?
さすがにリヒトはそんなつもりで言っていないだろうけど。
「...だけど、そうだとしたら少しおかしいんだよ。」
〈...この病室がですか?〉
さすがリヒト。言わなくてもわかってるな。
...僕が今いる病室には、本来いるはずの人がいないのだ。
「もし、奏が“奏ちゃん”なら、この病室にいるはずなんだ。...だけど、今は空室だ。」
他に入る人もいなかったらしく、本当に無人の病室だ。
「夢に囚われているのは奏で、“奏ちゃん”の可能性は高い...。でも、だとしたら...。」
〈...あの、この夢は深層意識で望んだ世界ですよね?〉
「...そうだが...?」
〈...なら、入院していれば“退院する”という事も望んでいると思いますが...。〉
「......あ。」
...どうして、忘れていた...というか、病室にいると思ったのだろうか。
僕だって皆が幸せでいるのを望んであの世界ができてたじゃないか...!
「...ありがとう、リヒト。」
〈...マスターは稀に抜けている事がありますね。〉
「否定できない...。」
実際、今だってそうだったからな。
「...とにかく、病院を出るか。」
窓を開けてそこから外に飛び降りる。
入る時もこの手段を使えばいいと思うが、さすがに外からは場所が把握できてない。
「....見つからない...。」
気配や魔力を探ろうにも、上手くいかない。
まるで水と油のように、僕という異物とこの世界に何か隔たりがあるようだ。
「...
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