第3章:再会、繋がる絆
第75話「お礼」
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る建物が目に入り、動きを止めてしまう。
...その建物は...病院だった。
「ぁ.....。」
〈...マスター?どうかされましたか?〉
リヒトの声が聞こえるが、それどころじゃなかった。
「...思い出した...そうだ...ここは....。」
海鳴市ではなく、リヒトとシャルも知らない。....当然だ。
なぜなら、ここは...。
「.....前世の世界....。」
僕が前世で過ごしていた街...それがこの世界の光景だった。
思い出してみれば、そこら中が見覚えのある場所だ。
「なぜ.....。」
夢の世界は囚われた者が深層意識で願う光景を元に構成されているはず。
だとすれば、この世界を生み出した者...奏の前世は、僕と同じ街に住んでた事になる。
「っ....!」
思わず走り出す。目指す先は...僕の家。
まずは本当に僕の前世での街と同じなのか、確かめたかった。
「.....っ、はは...マジか...。」
三人が暮らすにはちょうど良さそうな家。表札には...“志導”。
前世と現世は同じ姓だからわかりにくいが、現世での家とは明らかに違う。
...間違いなく、僕の住んでいた家だった。
「っ...!次!」
今度は、病院へと戻る。“確信”を得るために。
...先に確認しておけと思うが、これでも慌てていたんだ。仕方ないだろう。
「.....失礼...。」
自動ドアが開き、僕は病院内へと入っていく。
...そういや、僕の夢と違って色んな人が再現されているな。
しかし、その人達に僕は認識されていないようだ。
...当然か。元々僕はこの夢の住人じゃないのだから。
「確か...この階の....。」
エレベーターを使わず、階段を跳んで上る。こっちの方が早いしな。
そして、一つの病室の前で止まる。
「.....違う...か。」
そこに、僕が予想していた名前は書かれていなかった。
「...ただの思い過ごしか?」
だが、そうだとしてもこの夢は...。
〈...マスター?どういう事なのか説明を要求します。〉
「...っと、悪い。そうだったな。」
どうせ誰にも認識されていない。ここで適当に話すか。
〈“前世”という単語から、この夢の世界はマスターの前世の世界と酷似していると推測していますが...。〉
「多分、正解だよ。だけど、少しばかり相違点はあるけどね。」
...なんだ。説明するまでもなく大体わかってるじゃん
さすがリヒト。優秀すぎる。
「この世界はまさに僕の前世の街を再現している。建物の内部、街の雰囲気、僕の家までほぼ全
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