第3章:再会、繋がる絆
第75話「お礼」
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=優輝side=
「...真っ暗だな。」
夢の世界が決壊し、僕は暗闇の中を漂っていた。
「...闇の書が実際にそうだったのか、司さんの記憶にない場所なのか...。」
...おそらく、後者だろう。闇の書の中の割には、あまりに静かすぎる。
“闇”の中なのだから、怨念やプログラムの一部が何かしてくるはずだ。
「ゲームでいう“裏世界”みたいなものか。」
となれば、下手に動き回れば碌な事にはならなさそうだな。
「リヒト、シャル。何かわかるか?」
〈....厳しいですね。サーチが阻害されています。〉
〈おそらく、司様の記憶にない領域...空白の領域なため、ジュエルシードの魔力が霧のように漂っているのだと思います。〉
...言われれば、やけに辺りには魔力が多い。
幸い、魔力中毒になるほどではないため、防護服で十分に防げているが。
「....僕がこの魔力を吸収するから、その魔力でサーチを続けてくれ。できるだけこの空間にはいたくないが、それでも動き回るのは危険な気がする。」
〈わかりました。〉
そう言って、僕は周りの魔力を操り始めた...。
=椿side=
「はぁっ、はぁっ、はぁっ....!」
幾重にも思考を巡らせ、ついに暴走体に会心の一撃を与えた。
私の放った矢は、暴走体を貫き、ジュエルシードを...。
「っ...!?そんな...!」
「嘘...だ....。」
...信じられなかった。貫かれた暴走体は普通に再生してしまったのだ。
再生するのはまだいい。その事は既に優輝の姿の暴走体で知っていたわ。
...だけど、“再生する”という現象が起きた時点で、信じられなかった。
「....外した....?」
外した。一言でいえばたったそれだけだが、絶望感は大きかった。
せっかくの会心の一撃、逆転の一撃を外してしまったのだから。
「っ、まだ...!ユーノ!回復しなさい!」
「っ...!わかった...!」
私はユーノに魔力結晶を渡し、私自身も御札を取り出して回復の術を行使する。
焼石に水としか思えないが、ないよりはマシよ...!
「希望を捨てないで!まだ終わった訳じゃない!」
「分かってる...けど....!」
...ユーノが弱音を吐きたくなるのも無理はない...わね。
私だって、勝てる光景が思い浮かべられないもの...。
「(....それでも...負けられない!)」
優輝...!早く出てきなさい...!
私たちが、倒れる前に...
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