IFエンド 「月村すずか」
[7/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
嬉しいと思ってしまっている自分が嫌で仕方がないよ……。
「……これでよし。まあすずかの言ったようにちょっと切っただけだろうからひどくなることもないだろう」
私からショウくんの手が離れる。名残惜しいように彼の手を向かってわずかに動いた自分の手を私は見逃さなかった。
――私は……ショウくんが好き。だけどみんなのことも同じくらい好き…………私の気持ちは誰にも気づかれてない。だったら私が我慢すれば今までと同じ関係で居られる。そうすれば……
――でもそれって、これまでと同じようにショウくんに勉強を見てもらうってことだよね。ふたりだけの時間を過ごして幸せを感じるってことでしょ? このまま誰もショウくんにアタックしなければデバイスマイスターになった一緒に仕事も出来るかもね。それにショウくんに相談すれば仕事を回してくれるかもしれないし、ちゃんとやれてるか定期的に見に来てくれるかもしれないよ。
心の中で白い私と黒い私が語りかけてくる。
それはみんなを想う私と幸せになりたい私。どっちも嘘偽りじゃなく存在している私の気持ちだ。だからこそ私は自分がどうしたいのか決めることが出来ない。
「……おい……すずか?」
ショウくんが心配そうにこちらを覗き込んでいる。その理由は分かってる。私がまた涙が流しているから。
「いったいどうした?」
「ショウくん……分からない…………分からないよ」
「何がだ?」
私は……自分の気持ちが分からないの。今の私じゃショウくんへの気持ちを抑えることが出来ない……だからといってショウくんのことをずっと思い続けていた友達のことを考えると今の状態でこれまで通り過ごすのはダメだと思う。
そう言えたならどれだけ楽なんだろう。でもそれは人の想いを勝手に伝えてしまうことにもなる。それはしちゃいけないこと……。
……なら自分の気持ちだけ伝えればいいんじゃないかな。それで振られれば気まずくなるだろうし、傷ついて泣くとは思う。だけど時間が過ぎれば気持ちの整理がついて友達に戻れるかもしれない。
「私……私ね…………ショウくんのことずっと友達だと思ってた。機械とか本の話が出来る仲の良い友達だって」
「あぁ……それで?」
「でもね……デバイスマイスターになろうと思ってショウくんに勉強を見てもらってたのに、いつの間にか一緒に居れることが嬉しくてもっと一緒に居たいって思うようになってた…………ショウくんのこと好きになっちゃったの」
「…………」
「最初は……なのはちゃん達とも前より会えるようになるし、魔法が使えない私でも…………みんなのために何かできると思ってデバイスマイスターを目指したのに……」
「もういい……もういいから」
ショウくんは泣いている私を頭に手を回すとそっと抱きしめる。泣く子供をあ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ