IFエンド 「月村すずか」
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、今ではどうなんだろう。昔ほど疎くはない気がするけど……誰とでも仲良くしちゃうから判断しにくいんだよね。でもよく思い返してみるとショウくんに対しては素直にあれこれ言ってた気がする。人一倍溜め込んじゃうところがあるからショウくんみたいな人が傍に居る方がいいんじゃ……
「……あれ…………何で」
何で……私は泣いてるの?
別に悲しいことだとか辛いことを考えるはずじゃないのに。友達の幸せに繋がることを考えてるはずなのに、どうしてこんなに涙が出るんだろう。これじゃあ……まるで……
「私……ショウくんのことが……」
そこから先の事は口にすることが出来なかった。自分の気持ちに気づいてしまったから。
本当はずっと前から……下手をすれば子供の頃から私はショウくんのことが好きだったのかもしれない。断定じゃないのは私の初恋がショウくんだけどその恋はすぐに冷めちゃったから。
いや……冷めたというよりは身を引いたって言う方が正しいのかな。ショウくんと話すみんなを見ていると自分よりも仲が良いのが分かってしまったから。
「相談されてたら本気で自分なりの意見を言ってただろうし、誰かがショウくんと付き合うことになっていたなら心から祝福したいと思ってた……でも、もう無理だよ」
昔はお姉ちゃんや恭也さんの姿を見て恋に恋する感じでショウくんのことを好きになってたんだと思う。だからすんなりと他人の事を応援しようと思えた。
だけど今は違う。あの頃よりもずっと強くて大きい気持ちが芽生えてしまった。誰にもショウくんを渡したくない。ずっと傍に居てほしい。そんな風に思ってしまう。
「私って……嫌な子だ」
みんなのこと応援しようって思ってたのに……。今になってショウくんのこと好きになって……友達としての関係じゃ満足できなくなるなんて。
別にショウくんは今誰とも付き合ってるわけじゃないけど、他の子が……友達が好きな人を好きになるなんて最低だ。いったい私はどうしたら……
そのとき不意にインターホンが鳴る。時間帯的に考えてショウくんがやって来たのだろう。しかし、私はすぐに動くことが出来ない。
どどどうしよう、こんな状態で会ったら確実に心配されるよ。ショウくんじゃなかった場合でも今の顔を見られたら何かしら思われるだろうし……だけど多分ショウくんだよね。以前に約束して来てもらってるわけだから居留守を使うわけにもいかないし。でも今のままで会うのも……
あれこれ考えている間に何度かインターホンが鳴り響く。
このまま何もしないで居るとショウくんは帰ってしまうだろう。そうでなくてもケータイに連絡が来るに違いない。そうこうしている内に約束を破ることへの罪悪感に耐えかねた私は、気が付けば玄関に向かって動き出していた。玄関に着くと覗き口から相手
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