暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■インフィニティ・モーメント編 主人公:ミドリ■■
壊れた世界◆ラストバトル
第六十七話 ゲームオーバー
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
、特に役に立つ情報は手に入らなかった。神代は脳の障害に関しては少し心当たりがあるにはあると言ったので、新たに何らかの情報が手に入ったら連絡をしてもらうように頼んだのだが、それ以来連絡はない。そんなわけで、授業が終わってから門限までの間ずっとマルバの病室で彼の横顔を眺めるのがシリカの日課となってしまった。
「あれから三か月もたつのに、マルバさんはほんとのんびりなんだから」
 そう冗談めかして言うシリカだったが、目じりには涙が浮かんでいる。リズがこっちに来なさい、と自分の隣の席をぽんぽんと叩いたので、シリカはそちらに移動し、リズの胸に顔をうずめた。
「帰ってくるわよ。あいつが今まで、シリカのことほっといたことなんてなかったでしょ。あいつのこと、信じてあげなさいよ」
「信じてますよぉ……でも……あたしはいつまで待てばいいんですかぁ……ぐすっ……」
「あーあーよしよし」
「頭なでないでくださいよぉ、子供じゃないんですからぁ」
 なでなでしてくるリズを押しのけながら涙を拭いたシリカは、誰かから電話がかかってきているのに気付いた。
「あれ、アイリアさん――葵さんです。珍しいですね」
「なんの用かしらね」
 シリカが電話を取るのを見ながら、リズはシリカのエビピラフを勝手に自分の口に運んだ。シリカが非難がましい目で見るがお構いなしだ。
「葵さん、お久しぶりです。どうしました? ……えっ……そっそれ、本当ですか!? すぐ行きます!!」
 あわてて電話を切ったシリカに、リズが声をかけた。
「もしかして、マルバのこと?」
「目を覚ましたそうです! 残りのピラフあげるから、先生に早退したって伝えといて!」
「分かった。あいつによろしく言っといて」
「はい!!」
 簡単に荷物をまとめると、シリカはカフェテリアを飛び出した。その姿をリズが見送る。三か月ぶりの逢瀬に、シリカの胸は高鳴っていた。

 ……彼女はまだ知らない。その再会が、新たな冒険へと繋がっていることに。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ