557部分:第八十話 川辺においてその一
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第八十話 川辺においてその一
川辺において
「シャカ、一ついいか」
「何でしょうか」
シャカはアイオリアの話に応えていた。この夜彼等は辰巳の店の奥座敷にいる。そこでそれぞれスーツで卓を囲んで話をしているのであった。
「今ムウ達はインドに向かっているが」
「はい」
シャカは目を閉じたままで彼の言葉に頷く。
「インドは御前の祖国だったな」
「それが何か」
「いや、御前は行かないのだな」
「私は聖域での守護を命じられていますので」
やはり目を閉じたままでの返答であった。
「それでなのです」
「それでか」
「はい、それで」
また答えるシャカだった。
「インドには向かいませんでした」
「そうだったのか」
「元より教皇はムウに行ってもらうつもりでした」
そしてシャカはこうも彼に話した。彼だけが奥座敷の中で座禅を組んでいる。他の面々は胡坐をかいてそのうえで座布団の上にいる。
「彼にです」
「ムウにか」
「御前にではなく」
「そうです」
他の面々の言葉にも答えた。
「それに彼の相手はムウの方がいいのです」
「あいつか」
アルデバランが今のシャカの言葉に応えた。
「ルキフグスだな」
「そうです。八大公の中でも随一の頭脳を持っている男です」
その彼のことを話すのだった。
「彼にはムウです」
「まああいつはな」
デスマスクがここでムウについて述べた。
「俺達の中じゃ一番頭が切れるしな」
「そうですね」
アフロディーテもそのことは認める。
「彼の考えることなら納得ができます」
「それに人柄もだな」
シュラは彼のその部分を認めた。
「あの人柄も信頼できる」
「そういうものを考えてだというのだな」
「はい」
シャカは今度はカミュの問いに答えた。
「まさにその通りです」
「そうか、わかった」
カミュもそれで納得した。
そして次にはミロだった。彼が言うことはだ。
「では頭脳と頭脳か」
「そうです。そして彼の人柄も武器になります」
「人柄もだな」
「性格は戦いにおいて大きく影響します」
シャカはそのこともわかっていた。戦いにおいてもだ。
「ですから。彼はまさに相応しい相手に向かっているのです」
「そのルキフグスがか」
「ルキフグスはまさに八大公のまとめ役です」
シャカはそのことも踏まえていた。何もかもわかっていた。
「その彼に対してはです。やはりムウです」
「俺達では駄目なのか」
「貴方達には貴方達でなければならない相手がいます」
そうだというのである。
「例えばデスマスク」
「俺か」
「貴方にはベルゼブブです」
あの男だというのである。
「そしてシュラにはベール」
「そうだな
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