第61話 刷り込まれた価値
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め上に腕を突き出した。
「んが!?」
「あ!ごめん」
フウエイの突き出した腕がパソコンの操作をしている初春の喉に地獄突きをした。
???
何処から?
「さ、サソリはどうしましたの?ちゃんと言ってあるんですの?」
白井が腰を屈めてフウエイと目の高さを合わせる。
「パパ?いつも寝てばっかだからつまんないの」
不機嫌そうに口を尖らせるフウエイ。
「そうなんですか?やはり、前の疲れが出ているんですかね......心配ですね」
初春が地獄突きされた首横を押さえながら、首をグルグル回転させている妙な人形を眺めた。
「わぁー、世界が回ってるるる〜」
「全くサソリも変なモノを造りましたわね。はいはい、首は回さないの」
「はーい!がしゃん」
首をはめてクルッとジャンプして一回転した。
「赤い髪に強い怨みですか......?」
初春が首を傾げた。
「例えば......立派な海兵にしようと思って鍛えていたのに、フラって現れた赤髪の人に唆されて海賊になってしまったとか」
「それは、違う漫画!海兵がいるんですか?」
注)某大秘宝を追い求める海賊アドベンチャー漫画の事です。
「くろだ」
フウエイの声がしたので白井は後ろを向くと小さい身体を活かして、白井の履いているスカートに頭を突っ込んでいた。
「!!?な、何をしてますの!!?」
慌ててスカートを閉じるとフウエイの体勢が崩れて尻餅をついた。
「あうた......えへへ」
ニコニコとした無垢の笑顔に顔を赤くしてスカートを防御している白井は毒っ気を抜かれる。
「......サソリに説教ですわね」
受け継がれる『B(黒髪)』の意志......
初春はギュッと自分のスカートの先を固めるように脚を揃える。
すると、ジャッジメントの通報用の電話が鳴り出して、初春が慌ててスイッチを切り替えて対応した。
「......はいジャッジメントです。はい、はい......分かりましたすぐに向かいます」
スイッチを切り、通報を終えると白井に真剣な表情で見上げた。
「また赤髪狩りが出たみたいです」
「......分かりましたわ。原因が分かりませんが、やるだけの事をしますわよ」
「はい、場所はこちらになります」
「では行ってきますわ。何かありましたら、連絡してくださいな」
白井は軽く腕を曲げたり伸ばしたりすると座標の演算を始めて、テレポートの能力を発動した。
会話していた相手が急に居なくなり、部屋の静寂さが際立ってきた。
「あ!そうでした。フウエイちゃん、何か食べます......?」
しかし、部屋の中を幾ら探してもフウエイの姿は無く、軽く顔を引きつらせていった。
「ま、まさか......白井さんに?」
初春は転びながら、白井
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