第61話 刷り込まれた価値
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ょっとして御坂さんもサソリが好きになったとか?」
「す......は!?アイツをあたしが!」
御坂が沸騰したやかんのように真っ赤になると否定しながら後退した。
すると、テーブルに腰をぶつけて薄力粉が床に落ちていき、辺りに白い靄が立ち込めた。
「ギャーーー!薄力粉がっ!?おわ、卵もッ!!」
盛大にやらかしてしまい御坂は薄力粉の粉を吸い込んだらしく、いがらっぽい咳をしていた。
ん?御坂さんも??
チラリと御坂が佐天を見るとテーブルに肘を突いて佐天が照れ臭そうに笑っていた。
「あたしもサソリが好きだなぁ......って思いましてね。サソリが居たから動けたし、サソリが居たから本当の自分にも気付けた。みんなサソリが好きなんだと思います」
ぶっきらぼうで短気で口が悪いけど
子供っぽい所もあるけど
あたし達の中で誰かが困っていたら、迷わずに助けに入ってくる
ピンチの時には歳上のように頼りがいのある奴になるし、見捨てない
「これが好きって感情か分かりませんけど......サソリやみんなと居ると毎日が驚きだし、何より楽しいんですよ」
ニシシと歯を見せながらイタズラな笑みを浮かべている佐天に御坂が思わず頬を押さえた。
「もうー!佐天さんのせいでどんな顔してサソリに会えば良いか分からなくなったわよ!」
「ありゃま」
******
ジャッジメント本部では初春と白井が通称『赤髪狩り』の暴行事件の対応に追われていた。
「やはり赤い髪をした人が集中的に襲われているみたいですわね......」
「今週で既に40件近く。何か意味があるのでしょうか?」
モニターに映し出されている折れ線グラフを見ながら二人で会議をしている。
今週に入ってからというもの赤髪の男女問わずに襲われているという摩訶不思議な現象に白井は難しい顔をした。
「まだ分かりませんわね.....何かのメッセージ?」
「メッセージですか?」
「そうですわね......誰かに対する警告の可能性もありますわね」
「けえこく?」
「......犯人は赤い髪に強い怨みが......!?」
黒い髪をした少女が背伸びをしながら、初春達が見ているモニターを一生懸命背伸びをしながら観ていた。
「!?」
「ふ、フウエイちゃん!?」
フウエイは、クルッと首だけを半回転させて驚いている白井達を見上げた。
ホラー紛いの演出に白井が思わず、飛び退く。
注)メンバーには、サソリが超技術で造りあげた生きた人形であると説明してある。
「どうして此処に?」
ジャッジメント本部への扉は厳重にロックされており、専用IDとパスワードがないと入れないはずなのだが......
「えっとね〜。グルグルってなってビューンって飛んできたの」
両腕を回しながら、鋭く斜
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