死なばもろとも!暗闇のバトル
[1/7]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「よし……なんとか4階まで来たね」
回復系の技を駆使し、アドバイス通り余計な攻撃はせず最小限の消費で進む。アイテムもだいぶ集まり、鞄は大分膨らんでいた。
一階の麻痺の次は毒、その次は火傷状態にしてくることを示唆する文章が階段を上がったところに書かれていたので、毒を無効にするクチート、火傷をしないキュウコンを加えることで対処できた。
「さて、次の階層は何かな?」
階段を上がり、近くの壁をライトで照らす。何回か野生のポケモンを倒したことで、大分ライトの明かりは大きくなっていた。そのため、苦労することもなく壁画を見つける。
「ここまで来たからには容赦は無用、倒された者の怨念が貴様らを襲う……か」
やはりはっきりとは書かれていないが怨念、と聞いて思い浮かぶのは『怨み』や文字通り『怨念』といった技の使用を制限する技だ。そして容赦は無用と書かれているからには、よりポケモンは手ごわくなっていることも考えられる。
「だとすると、ここは最初のメンバーでいくしかないわね。よろしくね、ミラ」
キュウコンからヤミラミにチェンジ。先の技を使うのは主にゴーストタイプ。明確な防御手段はないものの、悪タイプを持つヤミラミならば有利に進めるだろうという考えだ。
明かりも大きくなり、暗闇にも慣れてきたためほとんど普段と変わらない足取りで歩くジェム。その前に、突然首吊り死体のようにがっくりと項垂れた姿のジュペッタが現れた。
「野生のポケモンね……いくよ、ミラ!」
ヤミラミを繰り出すと、ジュペッタは首を持ちあげてケタケタと笑った。ジェムやその父親が持つジュペッタとはずいぶん雰囲気が違うが、そもそも本来こういうポケモンである。チャックの口を開き、漆黒の球体『シャドーボール』が吐き出された。
「受け止めて、『しっぺ返し』!」
ジェムは敢えて避けさせない。漆黒の珠がヤミラミに当たると、その痛みを返すようにヤミラミの黒い爪が伸びる。ジェムの照らすライトをも塗りつぶす闇の斬撃が、敵のジュペッタを切り裂いた。『しっぺ返し』は相手の技を受けてから使うと威力の上がる技で、ゴーストタイプには効果が抜群だ。ジュペッタの体が崩れ落ちていく――が。
それと同時にヤミラミが体から力を奪われたように膝をつくのを見て、慌ててジェムは駆け寄った。
「ミラ!?」
『シャドーボール』のダメージが大きかったとは思えない。別の原因がある。そしてヤミラミの身体は傷つけられてはいないということは、答えは実質一つしかない。
「『道ずれ』も使ってくるんだ……ごめんね、すぐに回復してあげるから――」
回復する道具は一杯集めたので余裕がある。ひとまず元気のかけらをヤミラミに使おうとしたところ、突然の強い光が
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ