死なばもろとも!暗闇のバトル
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ンのシャドーボールが、水にドボンと落ちる音がした。水嵩でマリルリの体は隠れているが、あのポケモンの速度ではどこから来るかわからないあの技は防げない。片方はこれで終わりだ。
「わからないかしら?あなたたちがこの闇を利用したように、私のポケモン達もこの水を利用できるのよ」
「所詮ガキの浅知恵だな。確かに今は水がうぜえが、今こうしている間にも水は排水されてる。すぐ元に戻って……」
「それで十分よ!ルリ、『滝登り』!」
「何ぃ!?」
水かさはみるみるうちに減っていく。マリルリの倒れた体が見えてもいい浅さになっても、その体はなかった。いや、いつの間にかフーディンの足元へ潜水している。まさに鯉の滝登りのような勢いで、顎を捕えるアッパーを放った。フーディンの体が浮かび上がり、脳を揺さぶられたため強力な超能力も使えない。
「ルリ!『グー』、で攻撃!」
「ルリルリ、ルッー!!」
マリルリが、地面に着地した後、本来の倍以上膨らんだ右拳を後ろに下げる。誰でも知っている手遊びのようなその仕草の中に、爆発的な威力が秘められていることを太った男は悟った。
「ちっ、フーディン『サイドチェンジ』!」
「なっ、おい待て兄者、それは……!!」
フーディンに指示を出すと、瞬時にカポエラーとフーディンの位置が入れ替わった。刹那、マリルリの拳がカポエラーを殴りつける。本来はダブルバトル等で仲間との位置を入れ替える技だ。それを自分が攻撃を回避するために使ったのだろう。仲間のポケモンを犠牲にして。
「兄者……!俺のカポエラーを盾にしやがったな!?」
「悪いかよ。自分のポケモンがロクに戦えない状態になったことにも気づかない屑、盾にしてもらえるだけ感謝してほしいもんだなぁ?」
「どういうことだよ!?」
カポエラーの使い手である痩せた男は気づかなかったようだが、カポエラーは半ば溺れかかっていた。カポエラーは回転するとき逆立ちの体勢を取っている。つまり、頭は下にあるということだ。ならば男たちの膝までつかる程度の水かさでも口や鼻は覆われてしまう。高速回転という、激しい運動をしているならなおさら、暗闇の中でいきなり降って湧いた波を飲み込み、まともに呼吸などできなかっただろう。
「あなたたちは、闇に慣れ過ぎた。私達にもあなたのポケモンは見得なかったけど、あなたにも見えてないんじゃ勝ち目はないわ」
「く、くそがっ……!大体なんだよ今の一撃は、俺のカポエラーが一撃で……」
「それには後で答えるとして……この場合、あなたのフーディンはラティとルリ、どっちで倒せばいいのかしら?入れ替わっちゃったけど」
その言い方は、倒そうと思えばどちらでも倒せるとはっきり言っていた。この戦いも主催者側は把握しているの
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