死なばもろとも!暗闇のバトル
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出来るだろうからだ。
マリルリがフーディンの飛んでくる弾のタイミングに合わせて尾を振る。ラティアスの銀の波動が高速回転するカポエラーを狙う。
「ルッ……!」
「きゅう……!」
だが、ジェムの耳に聞こえたのは自分の仲間のうめき声だった。なにせ相手はこの状況を作り出した相手。その程度の策は通じない。ジェムは片手で目を隠し光に眩まないようにして目を開ける。マリルリは、斜め後ろに吹き飛ばされていた。ラティアスは高速回転する蹴りを受け、一旦上に上昇して退避している。ライトは今はポケモン達を照らしていた。
「ははっ、一思いにはやらねぇ、じわじわといかせてもらうぜぇ?『シャドーボール』!」
「空に飛べば逃げられると思うなよ?『真空波』!」
「落ち着いていくよ!ルリ、『アクアリング』。ラティ、カポエラーに直接『サイコキネシス』!」
マリルリの体の周りを水の輪が覆う。漆黒の弾丸は、マリルリの頭上から落ちてきて、リングと相殺して消えた。やっぱり、とジェムは思う。ジェムの読み通りならば、さっきのアクアテールはタイミングは合っていたはずだ。だがシャドーボールは命中した。ならば、外れたのは攻撃してくる方向だ。さっきのシャドーボールも、フーディンは自分の正面からではなく斜めから撃っていたのだ。
カポエラーの真空波は放たれてからでは避けられないがその威力は低い。そう読んで、攻撃を防ぐのではなく反撃する。だがラティアスがサイコキネシスを撃とうとしたとき、相手は二人ともラティアスを照らした。それはラティアスの視界を逆に奪うと同時に、高速回転するカポエラーの体を暗闇に隠す。ジェムも自分のライトでカポエラーを捕捉しようとするが、独楽のような独特の回転からなる普通の二足歩行とは一線を画す動きは、人間の手と目では捉えられない。サイコキネシスの念動力は、対象を見失って不発になった。
「無駄なんだよなぁ。てめえみたいなガキに俺たち兄弟のポケモンや技は捕えられねぇ!『シャドーボール』が正面から来るわけじゃねえことは読めたみたいだが、俺のフーディンはどこからでもあの技を撃てる。この意味がわかるかぁ?」
「この暗い空間を利用して……」
シャドーボールは影だ。闇の中で一つの影を探すのは、豪雨の中狙った雨粒を探しわけるようなものである。どこから飛んでくるかわからない攻撃に、予測不可能な独楽の動き。確かに強力だ。
「あなたたちは、なんでこんなバトルをするの?それだけの戦略があるなら、一人でだって施設の攻略だって狙えると思うわ」
「施設の攻略ぅ?くだらねえなぁ、俺たち兄弟はそんなことのために来たんじゃねえ」
「このフロンティアにはがっかりだぜ。強いトレーナーが集まるっつうからお前みたいなポケモンが強いだけで調子に乗ってるクソ
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