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フロンティアを駆け抜けて
死なばもろとも!暗闇のバトル
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前後からジェムを照らした。暗闇に慣れたところへの強烈な光に目が眩み、顔を覆うジェム。目がちかちかして、周りが良く見えない。

「おいおい兄弟、今度の獲物はあの時のガキだぜ」
「ちょうどいいなオイ。あの時の鬱憤晴らそうぜ兄者」

 ぎゃはは、と低俗な声をあげる男達。前後、結構な距離から話しかけて来ているのに二人の息はぴったりで、まるで隣同士で話しているかのように聞こえてくる。その声は、何処か聞き覚えがあった。だが思い出せない。

「あなたたち、誰……?」
「はっ、誰ときやがったかぁ。そっちから突っかかって来たくせによぉ」
「ダイバとかいうガキを庇って俺たちに歯向かったこと、忘れたたぁ言わせねえぜ」

 声に怒りと、見下した感情が混じる。昨日はダイバやアマノのことが頭を占めていて記憶の片隅に追いやられてしまったが、そもそもダイバと出会ったのは彼がこいつらに絡まれていたのところを自分が助けようとしたからだ。

「今からたっぷり思い出させてやるよ、さあバトルだぁ!」
「兄者の超能力と俺の格闘術で地獄に落ちろや!」

 前の兄者と呼ばれた太った男がフーディンを、もう一人の後方にいる痩せた筋肉質の男がカポエラーを繰り出す。まだ視界は戻らないが、ジェムもマリルリを前に出す。少し体力は減っているが、まだまだバトルする元気はある。

「二人で勇んでるところ悪いけど、この施設のバトルは一対一なんでしょう?どっちからやるの」

 そう言うと、男達二人は爆笑した。完全にジェムを馬鹿にしている。

「はあ?勿論一対一だぜぇ、俺とお前で一対一、そしてお前と兄弟で一対一に決まってんだろぉ!?」
「てめえが今手持ちを一体失ったのは知ってる。ここに上がってきた奴は全員道ずれの洗礼を受けるからな……つまり、俺と兄者とのバトルに負ければお前はここで終わりなんだよ、わかったぁ〜?」
「そう……ちょっと納得いかないけど、ルール違反じゃないのね。わかった」

 ラティアスを後ろに出す。ジェムは視界が効かない、そしてそれはジェムのポケモン達も同じだった。出てきた瞬間に男二人は強烈なライトを浴びせて、暗がりに慣れた目を焼く。うっとおしそうに目を反らす二体の声が聞こえた。挟み撃ちにして他の挑戦者を狙うような発言といい随分と卑怯な人たちだ。

「なんかすでに弱ってるみてえだが、楽しいハンティングゲームの始まりだぜぇ?フーディン、『シャドーボール』!」
「カポエラー、『高速スピン』だ!」
「ルリ、『アクアテール』!ラティ、『竜の波動』!」

 ライトによって際立った闇が密集するかのように放たれる漆黒の弾丸に、独楽のような高速回転による突撃。ジェムも反撃する。目が見えなくとも、タイミングを合わせれば相殺くらいは
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