ガンダムW
1531話
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ドーバーガンというのは、トールギスの全高よりも長い砲身を持つ。
つまりそれは、威力は高いものの取り回しは悪いという事の証明でもあった。
本来なら遠距離から……それこそトラゴスが遠距離からキャノン砲を撃ってきた時に……いや、それよりも前に先制攻撃として射撃をするのがベストの選択肢だろう。
だが、それはベストではあっても、普通に戦う場合のベストだ。
今回の模擬戦への乱入は、あくまでも俺の……トールギスを有する傭兵団という設定の俺の実力を連合軍に見せつける必要があった。
そして実力を見せつける場合、遠距離から一方的に攻撃するだけでは納得しないだろう。
敵の攻撃の届かない遠距離から攻撃するというのは、誰でも出来る……と思われてしまうことが多いからだ。
実際には遠距離からの射撃でも弾道とかビームの収束率とか、風を始めとした諸条件といった風に、色々な要素が必要となる。
MSに乗った事があれば、その辺を理解していてもおかしくはないんだが……生憎と、上層部にいるのは指揮官を経験した事はあっても、実際に現場を経験した者は少ない。
いや、士官教育とかは受けているから、知識では知ってると思うんだが。
ともあれ、遠距離から一方的に攻撃をするだけでは向こうも俺の技量が高いと納得はしてくれない可能性が高い。
その為にドーバーガンによる先制攻撃は行わず、こうして向こうからの攻撃を回避しながら前に出た。
バズーカを装備しているリーオーとの間合いを詰めると、左腕のライフルを使って弾丸を発射していく。
当然その中に詰められているのは実弾ではなく、ペイント弾だ。
リーオーの身体に、次々と黄色の花が咲いていく。
だが……当然ながら向こうにとって俺は演習の参加者という訳ではなく、不審人物でしかない。
それはこっちに向かって撃ってくるのが実弾だというのが証明している。
当然そうなればペイント弾を撃ち込まれても演習の時のように撃墜扱いなんかされてくれる筈もなく、機体を黄色くしながらもこちらに向かって攻撃をしてくる。
接近されてバズーカはもう邪魔なだけだと判断したのか、リーオーはマシンガンへと武器を持ち変え、こちらに銃口を向けてきた。
さて、どうするか。
ペイント弾で撃墜扱いになってくれないというのは予想通りだったが、それでも厄介なのは間違いない。
一番簡単なのは、ビーム兵器の出力を上げて敵を撃破する事なんだが……それをやってしまうと、傭兵として雇われるというのは全くの無意味になってしまう。
まぁ、自分達の味方を殺した相手を雇えっていうのは……ないとは言わないけど、よっぽど追い詰められたりしない限りは考えられないよな。
そんな訳で、取りあえずこっちとしては向こうのMSを撃破するといった真似は出来ない。
こっち
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