9話 「領地相続戦争@〜疲弊戦〜」
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
ぶろぐvar
http://suliruku.blogspot.jp/2016/10/9.html
そろそろ夕方だ。太陽が地平線の彼方へと消えるまで1時間もかからないだろう。
戦いの『準備』のために手間取ってしまったせいだ。
だから、後は戦うのみ。
僕は城から少し離れた平野を一人で歩き、そして立ち止まった。水堀と高い壁に守られた城が視界に入る。そこは僕が生まれ育った自宅だ。
モーニャンと一緒に帰るべき家なのだ。
ここを取り戻す事で、新しいモフモフな人生が始まる。
『住んでいた頃の記憶ないのにwwww自宅だと思っている犬さんwww』
『この城は……獣人達が無償労働させて作った代物だぞ、負の遺産すぎる……』
なら、これは僕の物だ。人間が所有して良い物件じゃない。
息を吸い、僕は一気に大きな声を解き放つ。
「おーい!腰抜けの糞叔父っー!僕がそんなに怖いのかぁー!
僕は知っているんだぞー!叔父が僕の両親を暗殺したって事実をなぁー!」
『安い挑発ですお』
しばらくすると、五十人の人間の足音とともに、城壁の上に叔父が登って出てきた。
一人だけたくさん酒を飲んだのか、顔が興奮して真っ赤になっている。
僕の事を見て、叔父は不機嫌そうに顔を歪めた。
「あーん?誰だ……なんだと!?
まだ生きていたのか!クソガキ!」
叔父は僕を罵った後に、少し考え込んで――
「おお!ワァンではないか!
両親が死んで大変だったな!これからの面倒は全てワシが見てやろう!
さぁ!こっちに来なさい!誤解を解いてあげよう!」
「……両親を殺したゲス野郎だって知っているよクソ叔父。
さっきの傭兵達は、僕を始末するために来たんだよね?」
さすがに誤魔化し切れないと思ったのか、叔父は態度を豹変させた。
「ちっ!ガキ一人を殺すに失敗するとは役立たずめ!
帰ってきたら解雇してやる!クソガキはさっさとこっちに来い!
寂しくないように天国へと送ってやろう!両親が待つ場所になぁ!ワシにだって慈悲はある!さぁ来い!苦しまずに殺してやろう!」
何が慈悲だ。父親が居なくなったおかげで、これ以上の後継者問題が発生しなくて好都合だけど、犬耳な母親を殺すなんて絶対に許せない。
地獄へと落ちるのは貴様の方だ。大量の絶望をくれてやる!
「クソ叔父……僕はこれから、他の貴族の土地にいって、この領地の権利を全てプレゼントするぞー!」
「な、なんだとー!?
やめろぉー!ワシが苦労して手に入れた新しい人生を壊す気かぁー!
行くなぁー!こっちに来いー!クソガキー!売女の息子がぁー!」
「僕一人では叔父には勝てないー!
だから!利権に狂った貴族どもの手を借りて、始末させる事を決めたんだぁー!
じゃ、さよう
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ