楽勝じゃん!!
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「だ・・・大丈夫・・・」
「俺たちはいいからあいつを・・・」
逃げた男を捕まえてもらおうとそちらを見ると、すでにそこには男はおらず、山の中へと消えていた。
「あいつはもういいんじゃない?」
「うん。一人じゃもう無理でしょ〜」
「あぁ。近くの街にも呼び掛けて指名手配するよ」
すでに追いつくことは無理だろうと判断したシャルルとセシリーがそう言い、ミンクさんがその後の対応について案を出してくれる。
「レオンが転ぶなんてレアだね」
「シリル先輩!!ドジッ娘みたいで可愛いですよ!!」
「うるさい!!」
体を起こし、治癒魔法をかけてもらっている俺たちをニヤニヤしながら見下ろすラウルと、相変わらず俺の扱いがおかしいサクラ。最後の一人を取り逃がしたのは悔しいけど、これ以上の追走は無理だし、諦めるしかないか・・・
「皆さん、ありがとうございました」
それから山賊たちを捕まえて評議院へと引き渡した後、川の流れを正常のものへと戻した俺たちは、街に戻りお屋敷に報告をしに行った俺たちに、ビオラさんが笑顔で頭を下げている。
「いえ、一人逃がしてしまいましたし・・・」
「よりによって一番強そうな奴を」
あの三人の中なら間違いなくあの男が一番強かったと思う。それを逃がしてしまったということは、今後街に報復をして来るのではないかと心配してしまう。
「何、大丈夫だ」
「あいつがどう攻めて来ても俺たちが何とかする」
その不安を払拭するようにストリングスさんとミンクさんがそう言ってくれる。そう言ってもらえるとすごくありがたい。ミスをしてしまっただけに、気持ちが落ち込んでいたから。
「本当にありがとうございました。おかげで元通りの生活をすることができます」
依頼の主な部分は“水不足の解消”だったため、山賊たちの退治はついでの仕事という考えになっていたらしく、何度も頭を下げてくるビオラさん。本来の街の姿に戻すことができてよかったし、感謝されることはやっぱり気持ちがいい。
「また困ったことがあったらいつでも呼んでくださいね!!」
「えぇ!!ぜひウェンディさんにお願いしますね」
まるで姉妹かと思わせるように仲の良いウェンディとビオラさんが、別れを惜しむように手を取り合い言葉を交わしている。
「シリルって言ったな」
「はい?」
二人の様子を見ていると、横から今回の依頼で初めて知り合ったミンクさんが話し掛けてくる。
「お前、本当に男なんだよな?」
「殴りますよ?」
最初に確認したはずなのに、いまだに疑いの視線を向けてくる彼に拳を叩き込みたい衝動に駆られるが、なんとかそれに耐える。
「お前が腑甲斐無かっ
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