楽勝じゃん!!
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に思うけど、彼女のは違う。まるで意志を持っているかのような、不思議な軌道で銃弾が向かってくるではないか。
「魔力を使って銃弾を意のままに動かす。軌道が読めなきゃ交わせないし防げない・・・蜂の巣になるだけよ」
まるで蛇でも襲ってくるような感覚に襲われる攻撃。一発ならまだしも、何発も放っているのが面倒くさい。どれかを避けると他の銃弾に当たってしまいそうだ。
「ま、俺は避けれるけどね」
普通の人なら間違いなく避けきれずに撃ち抜かれるしかないが、生憎と俺には通用しない。体を最小限に動かしすべての弾を避け、ドヤ顔を決めて相手を挑発してやる。
「封印の氷地獄」
ただ、これを避けれるのは俺だけ。ウェンディたちに当たる可能性があることを全く考えていなかった俺は、レオンが腕を振るって弾丸を氷漬けにしたことでようやくそのことに気付く。
「ごめん、全然気付いてなかった」
「大丈夫!!レオンのおかげで無事だよ!!」
自分が大丈夫だから周りも大丈夫、勝手にそんな思考が脳裏を過っていたのかもしれない。もう少し周囲のことを考えて行動しないとな、気を付けよっと。
「くっ・・・でも、いくらだって打ち込んで――――」
攻撃を全て凍らされても怯むことなく攻めようとする女性。しかし、彼女は突然黒い影が被さったことに気付き顔を上げると、そこには黒い風を腕に纏わせた少女が空に舞っていた。
「天神の舞!!」
「きゃあああああ!!」
渦のように風を生み出し、敵を打ち上げたシェリア。空に飛ばされた女性はバランスを整えることもできずに地面へと叩き付けられた。
「よし!!あと一人!!」
サクラの不意討ちが候を奏し、警備兵を圧倒したという話の魔導士三人組の二人を退治し、残るのはあと一人。そいつを倒そうと視線を向けると・・・
「あ!!」
「逃げた!!」
一番最初に奇襲してきた男が、俺たちとは反対方向に向かって駆けていっているのだ。
「待て!!」
「逃がすか」
それを追撃しようと真っ先に俺とレオンが走り出す。しかし、その際何もせずに倒されたリーダー格の男が手から糸のようなものを出し、俺たちの足に絡ませる。
「うわっ!!」
「っお!!」
足に絡み付いたせいで前に行こうとしていた上体が突っこみ、そのまま前のめりに倒れて腹を打つ。しかもここは山の中、辺りがゴツゴツとしていて街の中で転ぶよりもはるかに痛い。
「いってぇ!!」
「膝擦りむいた・・・」
中でも普段転んだりすることが少ない少年は初めての激痛に顔を歪めており、俺も擦りむいた箇所を押さえてうずくまる。
「大丈夫!?シリル」
「レオン!!」
それを見てすぐさま駆け寄ってくるそれぞれの幼馴染み。
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