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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
553部分:第七十九話 更なる歩みその三

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第七十九話 更なる歩みその三

「間も無くじゃな」
「今わかった。これまでの戦いはだ」
「あの者達に乗せられておったのう」
「私の不覚だ」
 声は無念そうにそれを出した。
「こうなってしまうとは」
「いや、これまでが最良じゃよ」
「最良だというのか」
「左様、聖闘士達を向かわせなければそのまま破壊と殺戮に入っていたじゃろうな」
「狂闘士らしくか」
「それを防いだのじゃ」
 彼等を向けたそれは、である。そうだというのだ。
「じゃから正解じゃ」
「そうか。ではそれでよかったのだな」
「上出来じゃ。それでじゃ」
 老人はさらに告げてみせた。滝の方から聞こえるその声にだ。突き出ている岩山に座したままそのうえで告げるのであった。
「インドでの戦いが終わればじゃ」
「うむ」
「奴等は仕掛けて来るぞ」
「それにより成ったもので」
「そうじゃ。そこでじゃ」
 なるというのである。
「まず四柱じゃ」
「四柱か」
「そして遂に」
「あの男か」
「左様」
 まさにそれだというのだ。
「どうやらそれは止めることはできん」
「ではこれからの戦いは」
「わしはここから動けん」
 それはできないというのである。
「決してな」
「それはわかっている」
 声もそれはわかっているというのだった。
「しかしだ」
「それでも来るやも知れぬか」
「御前はそれだけ重要な場所にいる」
「確かにな」
「そしてそれだけではない」
 声はさらに言ってきた。
「御前自身もまた」
「やれやれ、動けぬ者まで見逃さんというわけか」
「そういうことだ。狂闘士の考えはだ」
 声はそのことについても述べる。
「敵は一人残らず倒す」
「そうじゃったな。それはな」
「それならばだ。私も御前も」
「誰一人残らずか」
「そういうことになる。だからこそだ」
 それを老人に告げるのだった。
「誰一人としてだ」
「それではじゃ」
「その時はか」
「わしはここからは動けん」
 これはどうしてもというのである。普遍だった。
「しかし。向こうが来るならその時はじゃ」
「頼んだぞ」
「うむ」
 声に対して頷くのだった。
「そうしようぞ」
「私もまた同じだ」
 彼もだというのだ。
「私に来る相手はだ」
「尋常な相手ではなかろう」
 老人は声に対して述べた。
「間違いなくな」
「その通りだ。しかしだ」
「戦うのじゃな」
「私もまた同じだ」
 声に微笑みが宿った。滝の向こうに顔は見えない。しかしそれでもその声に表情が宿っているのであった。老人もそれは読み取っていた。

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