第二十八章
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「陰陽道を黒魔術に入れた」
「そして占術にも入れています」
「言うなら三つの術が混ざっているものよ」
「独特の結界です」
「そしてそれを使って」
「貴方の動きを止めました」
こう騎士に対して告げた。
「これならばです」
「貴方も動けないわね」
「この様な術ははじめてだ」
騎士もこう言った、彼自身だけでなく馬も動かそうとするが動けない、まるで石像になってしまったかの様にだ。
だが口だけでだ、こう二人に言った。
「余の身体が全く動かぬ」
「死した者の動きを完全に封じる術よ」
沙耶香は術自体の話もした。
「幽霊でも吸血鬼でも屍でもね」
「全てをか」
「貴方もまた然りね」
アンデット、その類だというのだ。
「墓場から出て来たのならば」
「それでこの術を使ったのか」
「ええ、貴方のことを考えて」
「そしてそれが的中しましたね」
速水も言う、言うがその表情は硬い。
「これで貴方は動けません」
「一度死したのならばね」
「そうか、だが余は諦めぬ」
騎士は動けずともだ、その目は死んでいなかった。確かに身体は動けない。だがそれでもというのだった。
「これではな」
「ではどうするのかしら」
「目と口は動く、ならばだ」
その目と口にだ、身体にある力の全てを込めてだった。
そこから白い光を放った、その光で結界の赤と青の光を一つ砕きさらに一つ砕きそうしてだった。己の身体を止める結界を壊し。
右腕が動ける様になるとだ、槍に白い光を集中させて二人に言った。
「この一撃で決める、御主達を倒せば結界も消えるな」
「ええ、結界を張った私達自身が倒れればね」
「それで消えます」
その通りだとだ、二人も騎士に答えた。
「そうなるわ」
「間違いなく」
「そうだな、では御主達を倒す」
その白く輝く槍をかざしてまた言った。
「そうしてこの難を乗り越える」
「生憎そうはさせないわ」
「私達もこれが仕事ですので」
二人もこう返す、そのうえで術を出す構えに入った。
沙耶香の目が赤に、速水の顔の左半分を覆っていた髪の毛がめくれ上がり黄色の目が見えていた。その目の光からだ。
二人の身体に力が宿った、そうして。
沙耶香はその両腕に青く輝く巨大な十字の剣、自身の身体の三倍はあるトゥーハンドソードを出した。速水は皇帝そして女帝のカードを出し。
巨大な剣に蒼白の、恐ろしいまでに燃え盛る様な氷を宿らせて騎士に向かって放った、剣は轟音と共に竜巻の様に回転しつつ騎士に向かう。
皇帝のカードから青い雷が無数の球となって出る、女帝のカードからは紅蓮の炎がやはり無数の球となって騎士に向かう。何とか結界を払っているとはいえまだ身動きが完全ではない騎士に二人の攻撃が直撃し。
さしもの騎士も動きを
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