第二十七章
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「防ぐよりもそちらです」
「身に寸鉄も帯びていないからか」
「ええ、そうよ」
「だからこそです」
今度は二人で答えた。
「私達の戦いは基本鎧の類は身に着けないわ」
「この身なりのまま戦います」
「だから、防ぐよりかわすよ」
「そちらになります」
「そうだな、そなた達はこれまで余の攻撃を受けていない」
今の戦いでも昨夜の戦いでもだ。
「徹底してかわすか」
「そういうことよ、そして貴方は攻めて防ぐ」
沙耶香は騎士の戦い方についても言及した。
「馬に乗ったうえで」
「見ての通りだ」
「そうね、けれどね」
「それでもか」
「私はわかったわ」
「私もです」
ここで速水も言う、見れば出しているカードは月であった。三日月にある顔が笑っている。
「貴方は強い、けれどね」
「勝つことは出来ます」
「私達それぞれでは勝てないけれど」
「二人なら」
それならばというのだ。
「勝てるわ」
「そうした方です」
「二人なら勝てるか、しかしだ」
騎士は二人のその言葉も聞いて言った。
「それは過ちだ」
「貴方は負けないというのね」
「そうだ」
沙耶香に言い切って告げた。
「決してな」
「そうね、けれどね」
「余の今の言葉はか」
「嘘にはならないけれど誤りになるわ」
即ち騎士の認識違いになるというのだ、事実と違うとわかって言えばそれは嘘になる。だがこれから起こることへの予想を違えて言うとそれは誤りになるのだ。
「これからね」
「それはそなた達とは思わないのだな」
「私だけではそうなっていたわ」
「ですが私もいます」
ここでまた速水が言った。
「ですから」
「二人ならよ」
「貴方に勝てます」
「それを今から真実だということを見せてあげるわ」
「そうか、では見せてみるのだ」
騎士は二人の言葉を聞いても臆していなかった、むしろその逆であった。
油断はせず気を引き締めたままだ、二人に対してだ。
馬を操り突進させ剣を繰り出してだった。斬ろうとする。二人はそれぞれこの攻撃もまたかわしてだった。そうしつつ。
沙耶香は地面、聖堂の前の草原に赤い光の矢を放っていた。矢は地面に突き刺さったまま釘の様に立っている。速水は月のタロットカードから出した青い淡い光を放つ球をだ。
一つ、また一つと出して宙に浮かす。そうしていき。
その光の球と光の矢の数がそれぞれ百二十になった時にだった、不意に双方からだった。それぞれ赤と青の光が放たれ両者はそれぞれ一つずつつながった。それは騎士の周りだけでなく身体の上でもだった。
騎士の身体を貫きそうして魔法陣を描いた、その魔法陣は。
「悪魔の、いや違うか」
「私達の国には面白い術があるのよ」
「それか」
「陰陽道よ」
「それの特殊
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