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Three Roses
第二十三話 野心その十一

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「どちらもな」
「だからですね」
「警戒は必要だ」
 このことはというのだ。
「仕掛けるにしてもな」
「謀略を使う者は相手の謀略も警戒する」
「自分達が使うからですね」
「だからこそですね」
「そこは警戒する」
「相手も」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「仕掛けるにしても用心が必要だ」
「そうですね、仕掛ける相手を選びますか」
「乗りそうな相手に」
「そうした相手にですね」
「仕掛けて」
「そのうえで」
「そうだ、王国を乱すとしよう」 
 こう言ってだ、実際にだった。
 太子は彼の国である帝国にとってもこの国にとっても敵である王国に謀略を仕掛けることにした。そしてそれと共に。
「北の王国、島国、半島にだ」
「全てですね」
「どの国々にもですね」
「仕掛ける」
「そうしますか」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「そして、わかるな」
「はいやがては」
「その三国を」
 オズワルド公と司教が応えた。
「そうしていきますか」
「その為にも」
「既に各国の王国につながる諸侯はだ」 
 その彼等はというのだ。
「退けていっている」
「そうしていっていますね」
「彼等は」
「そうだ、そしてだ」
 さらに話す太子だった。
「幸い各国の王国派はだ」
「各国の統合にですね」
「反対している者達ですね」
「エヴァンズ家を王とする」
「それに」
「元々同じ国だがな」 
 四国はというのだ、この国を中心として北の王国と島国、そして半島はだ。かつては連合王国であったのだ。
「それが分かれた、だからな」
「再び」
「それを」
「一つにする」
「そうするのですね」
「そうだ」
 一言での返事だった。
「同じ民族だしな」
「はい、そちらもです」
「民衆はそうですね」
「王族や上流の貴族達はともかくとして」
「根は」
「それならばだ」
 国としても民族としても同じならばというのだ。
「一つになってもおかしくはない」
「だからこそですね」
「太子もそう言われるのですね」
「この国は一つになるべき」
「そういうことですね」
「王家のはじまりは違うにしても」
 各国のそれはだ。
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