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星がこぼれる音を聞いたから
5. おみやげ
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鷹の足をつかむことが出来た。これなら中が見えるということはないだろう。

「誰も見てないって」
「そういう問題じゃない。俺が嫌なの」
「なんで?」

――星がこぼれる音をだれにも聞かれたくないから

「気分的にヤだろ」
「ふーん……」

 思った以上に軽い隼鷹に驚きつつ、鎮守府を目指して歩いた。肩を貸して歩いている時よりも足取りが軽い。やっぱりこっちのほうが歩きやすいってことか……。

「ねー……ていとくー……」
「んー?」
「このまんまさ。どっか行こうよ」

 俺にしがみついている隼鷹の手に、少しだけ力が入った。指輪をつけた左手が、俺の右肩をギュッと掴んだのが分かった。

「どこへ?」
「どっか」
「……もうどこも開いてないよ。お前ももう眠いだろ?」
「うん」
「飛鷹も待ってる。帰らなきゃ」
「……うん」

 俺の顔のすぐ横にある隼鷹の顔を見た。酒のせいなのか……それとも何か別の理由があるのかはわからないが、隼鷹の顔は少し赤かった。目がトロンとして眠そうだ。俺におんぶされて歩く必要が無くなったからか、うつらうつらして無防備な顔をさらけ出してやがった。

「ていとく……」
「んー?」
「……あたしでよかったの?」
「いいもクソも、お前が最初に名乗り出てくれたんだろ?」
「そうじゃ……なくて……」
「んー?」
「あたし……は……」

 別に考えてる様でもないが言葉がとぎれとぎれになり、そしてついに途絶えた。ラーメン屋でビールと餃子をかっくらう淑女は、ついに夢の世界にログインしてしまったらしい。

「おやすみ隼鷹」
「スー……スー……」

 その後約一時間かけて、おれは歩いて鎮守府にたどり着いた。

「あ、提督おかえり」
「おかえりだクマー」

 もう深夜だというのに、執務室には明かりがついていた。飛鷹と球磨が俺と隼鷹の帰りを待っていたらしい。

「なんだお前ら。寝てないのか」
「迷ったけどね。でも待ってて正解だったわ」
「おみやげはないクマ?」
「飲んだくれて眠りこけた淑女なら持ち帰ってきたぞ」
「残念。食べ物が欲しかったクマ……」

 隼鷹を背中におんぶしたまま、つい3人で立ち話に興じてしまう。隼鷹は……

「スー……スー……」

 よかった。起きてはいない。無防備な顔を晒して気持ちよさそうに寝てやがる。

 飛鷹が俺のそばまでやってきた。

「……」
「スー……スー……」

 そしておれが背負っている隼鷹の髪を撫で、俺達が出発するときに見せていた、小春日和のような温かく優しい笑みを浮かべ、隼鷹に優しく語りかけていた。

「楽しんできたみたいね。……よかったわね隼鷹」

 その顔は、ドレスを着た姿ではじめて俺の前に姿を見せ
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