第九章
[8]前話
「いいわね、じゃあ今日は私は図書館に行かないから」
「何だよ」
「当たり前でしょ、あんたが寿美礼に答えるんでしょ」
「そのつもりだよ」
「だったらね」
「二人だけにしてか」
「二人だけで答えなさい、いいわね」
こう慎に言うのだった。
「わかったわね」
「悪いな、気を使ってくれて」
「いいわよ、じゃあ今日は私は何も言わないから」
慎の答えも出ているし自分が出る幕ではないと思ったからだ、それでなのだ。
「明日ここで返事を聞くわね」
「それじゃあな」
「驚いたけれどよかったじゃない」
ここまで聞いてだ、真礼は微笑んで言った。
「あの娘と交際出来て」
「全くだ、じゃあな」
「今日は二人でね」
頑張って来いとだ、こう言ってだった。
真礼はこの日は図書館には寄らなかった、寿美礼には適当な理由を言ってだった。それで放課後に図書館の横を通ってもだった。
「明日ね」
微笑んで呟いて帰るだけだった、そして次の日。
屋上で慎から昨日のことを聞いてだ、笑って言った。
「じゃあ今日からもね」
「ああ、図書館でな」
「寿美礼と会うのね」
「今日も明日もそれからもな」
ずっと、というのだ。
「会うさ、楽しくな」
「わかったわ、じゃあ二人で楽しんでね」
「御前はどうするんだよ」
「私もいるわよ、ただね」
「ただ?」
「あんたと寿美礼の友達としてね」
その立場でというのだ。
「いるから」
「俺達の仲にはか」
「あんたが馬鹿したら机の下で蹴ったり足踏むけれど」
それでもというのだ。
「基本いるだけよ」
「俺達は俺達か」
「そうするわ、だからこれからは二人で会ってね」
「付き合っていくな」
「まあ、図書館の外でもデートとかしなさい」
真礼は慎に交際するのならとだ、彼に話した。
「いいわね」
「そうさせてもらうな」
「そういうことでね」
「やっていくな」
「そうしなさいよ、じゃあ今日も放課後は図書館でね」
「あの娘と一緒にいるな」
慎は真礼に笑顔で言った、そしてだった。
慎は寿美礼とあらためて図書館で幸せな時間を過ごしていった、彼にとってこの日から図書館は最高の場所になり真礼に感謝する場にもなった。それまでえは何ともなかった場所であったがそう変わったのだ。
ライブラリー=ラブ 完
2016・6・24
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