第79話 《隻竜》と《女神》の同盟
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者の中にあいつの昔の名前はなかったしーーー
「待ちなさいよ!!!」
「ん?」
後ろから追いかけて来るシノンの呼び掛けを聞いて、オレは立ち止まる。その彼女の口から出た言葉はーーー
「・・・私も行くわ」
「はあっ!?」
オレと共闘するという意味が籠もった発言だった。
「死銃って奴、相当強いよ。あんたがあいつに負けたら、私と戦えないじゃない」
「それはそうだけど・・・」
「あんまり気が乗らないけど、一時共闘してあいつを本戦から叩き出した方が確実だわ」
確かにオレとシノンが協力して奴を倒せば、奴の犯す殺人もそこで終わらせられる。その後なら存分に戦える。でもーーー
「・・・いや、あいつは本当に危険なんだ。下手したらキミが・・・」
「死銃がどこに行ったのか分からないんだから、一緒にいようがいまいが危険度は同じでしょ?」
オレもさっき全く同じこと考えてたよ。でも確かに単独で奴と接触したらほぼ確実に殺される。だったら2人で手を組んで奴と戦った方が危険度は同じでも連携が取れる分安全かーーーッ!!
「戦闘準備!!」
背後から視線を感じ取ったオレは腰に吊るした《FJBX−04A》を手に取り、赤いビーム状の刃を展開させて気配のあった方向ヘ向ける。そこにいたのは中国風の甲冑を身に纏い、左目に黒い眼帯を付けた男ーーー夏侯惇だった。そいつの持つマシンガンから十数本の《弾道予測線》がオレたちに向かって伸びていた。
《弾道予測線》にそって放たれた銃弾をオレが次々と斬り裂く。この銃弾の雨を後ろのシノンに刃が当たらないように斬るのはかなり難しいけど、何の問題もない。
「ウソぉ!?」
どうやら夏侯惇のマシンガンは弾切れを起こしたらしいな。まずはーーー
「オレが突っ込むから、バックアップ頼むぜ」
「・・・了解!!」
地面に寝そべって狙撃の体制に入ったシノンと、マシンガンに替えの銃弾の入ったマガジンを装填した夏侯惇を確認して、オレは放たれた銃弾の雨を斬り払う。
オレたちに向かって飛ぶ弾丸を回って斬り、跳んで斬り、速く斬る。かつてキリトが発動した二刀流スキルの上位剣技、《スターバースト・ストリーム》程じゃないけど、今のオレなら剣撃で嵐だって作れる気がするぜ。夏侯惇のマシンガンは再び弾切れを起こした。とどめはーーー
「今だシノン!!ぶっ放せ!!!」
とどめはシノンの狙撃銃、《ウルティマラティオ・へカートU》の銃口から放つ狙撃だ。シノンはライフルの銃口から銃声と硝煙、そして絶大な威力が込められた弾丸を放ちーーー夏侯惇の上半身と下半身が分離するほどの威力で撃破した。
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