第79話 《隻竜》と《女神》の同盟
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」
オレはあいつの恐ろしさを全く分かってない余裕面のシノンの手を怒鳴りながら掴む。
「お前、あれをちゃんと見てなかったのか?あいつの黒い黒い拳銃がペイルライダーを殺した瞬間を!1発でも撃たれたらマジで死ぬぞ!!」
オレは目の前で誰かが死ぬところなんて見たくねぇ。本当は生きていたとしてもーーー
『大好きだよ、竜くん』
あの時感じたものを絶対に忘れない。あれだけは忘れない、忘れてたまるかーーー
「・・・私は、認めたくない。PKじゃなくて、本当に人を殺しているプレイヤーがいるなんて」
オレだってそう思ってる。あのデスゲームが終わって、やっと純粋にゲームを楽しめる世界が出来たんだ。それを殺人に利用する輩が存在するのを認めたくないのは分かる。でもーーー
「それでもいるんだ・・・あのボロマント、死銃は昔オレがいたバーチャルMMOの中でたくさんの人間を殺したんだ。相手が本当に死ぬのを分かっていて剣を振り下ろしたんだ。そしてオレも・・・」
オレもあの世界で4人の心臓を手刀で貫いた。あの4人にも現実世界で帰りを待っている人がいたかもしれないのにーーーオレは4人を殺しただけじゃなく、その人たちも悲しませたかもしれないんだ。
「本当に、そんな奴がGGOに・・・」
そう呟いたシノンは少し顔を俯いた。それに、心なしか顔色も悪くなってる気がするーーー
「シノン?おい、どうしたんだよ?シノン・・・おい、シノン!!」
「ッ!!」
オレがシノンの肩を掴んで声を掛けて、ようやく正気に戻せた。
「・・・大丈夫、ちょっと驚いただけ。正直あんたの話をすぐには信じられないけど、でも全部が嘘や作り話だとは思わない」
「・・・ありがとう。今はそれで充分だ」
「とりあえず私たちもすぐにここから動かないと」
どうやら事情を理解してくれたようだ。とりあえず今オレたちが取るべき行動はここから離れることだ。オレとシノンが交戦中だと思ったプレイヤーが漁夫の利を狙って近付いてくる可能性が高い。
「じゃあここで別れよう」
「え、あんたはどうすんのよ!?」
「オレは奴を追う。シノンは極力あの野郎に近付くな」
「でも・・・」
オレが死銃を追えば、オレが殺される可能性が高くなる。シノンの場合もまたしかり。オレとしてはオレ以外の誰かが死ぬのは嫌だ。でもオレはシノンとの約束もある。
「約束は守る。次に会った時には全身全霊をかけてシノンと戦う。さっきはオレを撃たずに話を聞いてくれてありがとな」
「え?ちょっと!!」
オレはシノンに再戦の約束とお礼を言って後ろに走り出す。奴を探すには今の名前が分からないのが大きな問題だな。昔の名前は知ってるけど、出場
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