第四章
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細い髪質で癖のある黒髪を右で七三分けにしたホームベース型の顔の青年が出て来た、眉は黒く細めであるが色は濃い。細い方の目は小さく一重でやや垂れている。髪の毛から出ている耳は結構大きく口から出ている歯は真っ白だ。背は一七三位で濃い緑がかった黒のスーツがよく似合っている。その彼がだ。
愛衣のところに来て作品について細かく説明してだ、あらためて彼女に言った。
「では今から」
「本のあるところに案内してくれますか」
「宜しいでしょうか」
穏やかな声での言葉だった。
「そうさせて頂いて」
「それでは」
愛衣は彼に応えて言った。
「お願いします」
「では今から」
彼は愛衣に応えて実際に彼をその場に案内した、そして。
愛衣はその文学作品を見てだ、頷いて言ったのだった。
「本当にいい作品が揃ってますね」
「わかりますか」
「はい、SF作品で」
「ハヤカワ文庫の新刊を揃えました」
「そうですね」
「実は私ハヤカワ文庫が好きでして」
この文庫から出ている作品がだ。
「それでなんです」
「そうですか」
「そしてです」
そのうえでと言うのだった。
「この図書館の勤務になってからです」
「ハヤカワ文庫の新刊をですか」
「多く入れる様になりました」
「実は私もです」
愛衣は笑顔でだ、彼に話した。
「読書が趣味でして」
「海外の文学作品もですか」
「SF作品も好きでよく読んでいて」
「はい、それでハヤカワ文庫も読んでまして」
「他の文学作品もですね」
「よく読みます」
実際にというのだ。
「古典的な作品も」
「実は僕もそうした作品も好きで」
「そうですか、では」
「はい、これからも図書館に入れていきます」
「宜しくお願いします」
二人でこうした話をしてだ、そしてだった。
愛衣はこの日図書館で彼に紹介してもらった本の中から一冊勧められた本を借りた、それで満足して博物館に帰ったが。
次の日にもだ、愛衣は図書館に行って本を借りた。その青年の紹介を受けつつ。
それが二日三日と続いてだ、千夏は仕事中にふと愛衣に尋ねた。
「あんた最近ね」
「ええ、お昼にはね」
「図書館行ってるわね」
「食べ終わったらね」
「何かあったの?」
「いえ、海外文学の作品がよく入る様になったから。SFの作品もね」
「それでなの」
「私そうした作品好きだから」
千夏に正直に話した。
「だからね」
「毎日通ってなの」
「本探してるの、それにね」
「それに?」
「そういうのに詳しい人もいてくれて」
「そうなの」
「秋田川さんって人ね」
「ああ、界人君ね」
秋田川と聞いてだ、千夏はすぐに言った。
「彼ね」
「知ってる人?」
「実は従弟なの」
その彼はというのだ。
「私
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