544部分:第七十八話 ムウの技その一
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第七十八話 ムウの技その一
ムウの技
ムウと六人はその戦場に向かっていた。そこは。
「ええと、カルカッタ!?」
「滅茶苦茶遠いじゃないですか」
「ギリシアが幾つも入りますよ」
青銅の四人がその場所を聞いてまず驚きの声をあげた。
「このニューデリーからだと」
「それに人は相変わらず多いし」
「しかも私達って今」
「普通に歩いてますけれど」
こうも言うのであった。
「まさかこのままカルカッタまで歩くとか」
「そういうのですか?」
「あそこまで」
「いえ、それはありません」
流石にそれは否定するムウだった。彼等は今そのニューデリーを出ようとしている。その最中なのだ。
「ただ。車はありません」
「車っていうと自動車ですか」
「それはないんですか」
「残念ですが」
一応こう言いはする。
「それはありません」
「じゃあ船とかですか?」
「けれど船にしろ」
彼女達もインドの地理は多少は知っている。脳裏の中でそれを描いてみると。
「カルカッタまではないし」
「そうよね、それもないし」
「インドって色々な場所が入り組んでるから」
それがインドである。地理的にもモザイクなのだ。ただ暑い国ではないのだ。
「ただ船だけで行けないしね」
「カルカッタまでとても」
「そんな場所だから」
「自動車はありませんが車はあります」
するとここでまたムウが言ってきたのだった。
「それはです」
「っていいますと」
「馬車ですか?」
「それですか?」
「いえ、牛車です」
ところがであった。ここで出て来たのはそれであった。
「牛車を用意してもらっています」
「牛・・・・・・ですか」
「ここでも牛なんですか」
「何か如何にもインドっていうか」
青銅の四人はさながら旅行客の様に話を聞いて唖然となっていた。傍から見ればまさに若い旅行客一行だ。実際に側では日本人の女の子達がインドに唖然となっている。
「牛多過ぎ、この国」
「カレー辛過ぎだし」
「暑過ぎだし」
「話に聞いていた以上じゃない」
こんな風に日本語で話をしていた。
「無茶苦茶っていうかね」
「何か日本と全然違うし」
「訳わからないし」
「ターバン巻いてる人ばかりだし」
「おトイレだって」
完全に彼女達と同じであった。
「何で紙ないのよ」
「便器から豚さん顔出すし」
「どういう国なのよ」
そんな話をしていた。そしてそれを聞いた青銅の四人はというと。
「何か私達がいるけれど」
「日本人だけれどね」
「そっくりじゃない」
「っていうか鏡!?」
彼女達は日本語がわかるのでそう思ったのである。
「私達が今見てるのって」
「そう思う?やっぱり」
「ええ、何か
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