第三章
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「お店で探して」
「見付けたのね」
「小さな女の子用のものだったけれど」
「それがよかったから」
「付けてみたの」
「そうなのね」
「それでスカートはね」
明日香は今度はそちらの話もした、見ればそちらは普通の黒のミニスカートに靴だ。足は白いソックスである。
「そこまでは、なのよ」
「トルコを意識してないの」
「トスカね」
歌劇の名前はまた訂正した。
「というか結構間違えやすい名前？」
「何かね」
綾はこう返した。
「トスカっていうと」
「タコスとかトルコとか」
「どうもね」
「言われてみればそうかしら」
明日香も否定しなかった。
「何かね」
「そうなのね、とにかくね」
「下はなの」
「特に意識せずね」
そこまではというのだ。
「舞台の衣裳はズボンもブーツも白だったけれど」
「それも白だったの」
「そこまでは意識してないけれど」
「そうなのね、制服みたいな感じもするし」
ブレザーとタイの組み合わせだ。
「見慣れた感じもしてね」
「いいのね」
「ええ、いいわ」
綾は明日香に微笑んで話した。
「似合ってるしね」
「じゃあこの服で」
「いるのね」
「そうするわ」
こう話してだ、そしてだった。
二人で街に出た、明日香はこの時自分のファッションは自分だけがしているものと思っていた。だがそれがだった。
街に出るとだ、これがだった。
時々だ、服の組み合わせは違ってもだ。配色がだった。
「あれっ、あの人も」
「赤と白と青の配色ね」
明日香も見て応える。
「そうね」
「青のブラウス、白のズボンで」
「赤の上着で」
「一緒ね」
「同じ配色ね」
明日香が今着ているそれと、というのだ。
「組み合わせは違ってても」
「そうよね」
「あっちの人も」
明日香は今度は前から来る三十代の人を見て言った。その人は。
「青のスカートで」
「白のブラウスで」
「赤いコート」
「やっぱり一緒ね」
「トリコロールね」
「何か」
綾もここで言った。
「多い？」
「三色が」
「しかも青、白、赤」
「これがね」
「まさか」
綾はここでまた言った。
「これってガンダム？」
「アニメの」
「ガンダムもこの配色でしょ」
「青、白、赤の」
「基本白だけど」
「そうね、確かに」
明日香も綾のその言葉に頷いた。
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