第二章
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「ホテルか」
「そうしたホテルね」
「そこに一晩」
「お金あるの?」
「一晩位ならあるさ」
智和は美由紀に答えた。
「貯金も充分過ぎる程」
「あなた無駄遣いしないからね」
智和の長所の一つだ、尚これは美由紀も同じだ。だから二人共貯金はそれなりに持っているのだ。その為にというのだ。
「あるのね」
「それは安心してくれ」
「それじゃあ」
「いいかな」
「服はどっちにしてもね」
どちらの家に一泊してもというのだ。
「朝帰りってことで」
「服は上着を裏返したらいいだろ」
出勤の時にというのだ。
「そうしたら」
「オーソドックスね」
「けれどこれでばれることはな」
朝帰りがというのだ。
「会社ではないだろ、それが無理なら」
服を裏返して着ることがというのだ。
「早いうちに出勤して」
「昨日と同じ服を着ているとか見られない様にする」
「やり方は色々あるさ」
「そういうことね」
「そうだろ、じゃあそういうことでな」
「今夜はホテルね」
「とにかく俺の部屋は駄目だ」
絶対に来させないとだ、智和は言い切った。
「そしてそれはそっちもだろ」
「今日は無理よ」
美由紀も同じことを言う。
「それならホテル代半分出すから」
「ワリカンか」
「このディナーもそうしていい位よ」
こうした時は男が全額出すのがデートの常道であるがというのだ、ただこれはオランダでは違うらしい。羨ましいことであろうか。
「むしろ」
「そこまで言うか」
「とにかく今夜はね」
「お互いの部屋は無理だな」
「そうよ、じゃあね」
「今夜はホテルだな」
「そうしましょう」
二人で話す、そしてだった。
ディナーの後でだった、智和と美由紀は智和が適当に見付けたレストランから少し行った場所にあったホテルに入った。こうしたホテルは結構色々な場所にあるからだ。
そこで一晩過ごすことにした、そして智和はベッドの中で隣にいる美由紀に言った。
「じゃあ今日はな」
「ここで一晩ね」
「楽しく過ごすか」
「そうね、まあこうしたことはね」
二人で一晩を過ごすことはとだ、美由紀も隣にいる智和に言った。
「ホテルでこうした時間を過ごすことも」
「普通だな」
「そうね、お互いのこともわかったし」
どういった人間かとだ。
「それに私のお料理も嫌いじゃないでしょ」
「ああ」
その通りだとだ、智和も答える。
「いつも栄養までしっかりと考えてるからな」
「それじゃあ結婚する?」
美由紀から言った。
「そうする?」
「それ俺が言う言葉だけれどな」
智和は美由紀の言葉に少し苦笑いになって返した。
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