543部分:第七十七話 最後の八大公その六
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ムウ様ですよね」
「お優しくて穏やかで」
「気品があって」
ムウの評判のよさはこうしたところから来るのである。
「それじゃあ安心して」
「インドでの戦いを続けさせてもらいます」
「インド自体にはかなり思うところがありますけれど」
今は戦いのことよりもまずインドというその異文明に対する感情と戦う彼女達だった。しかしその中でムウだけは穏やかであった。
「それではです」
「はい、それでは」
「一体」
「これを食べ終わったら出発しましょう」
既に食べてからのことを考えているのだった。
「戦いの場へ」
「ええ、このカリーを食べたら」
「ヨーグルトも」
「デザートもあるからね」
「それもね」
それもあるというのである。
「果物がどっさりとね」
「それも食べなよ」
「何か食べるの多いみたいね」
「この国って」
「やっぱり凄く甘そうだし」
またしても食べ物の話になる。
「辛いのも続くし」
「それがね。何か凄そうだけれど」
「果たしてどうなるか」
「何、大したことはありませんよ」
しかしムウは穏やかな顔で言うだけであった。
「何ともありません。同じ人間です」
「そうですか」
「人はですか」
「ただ」
しかしであった。ここでムウの言葉が少し変わった。
そうしてであった。彼は言う。
「シャカみたいな人は本当にいますので」
「ってそれもやっぱり」
「凄い国じゃないですか」
そのことを認識せざるを得ない四人だった。何はともあれインドでの戦いがはじまるのであった。それもまた激しいものになろうとしていた。
第七十七話 完
2009・12・11
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