第7章 聖戦
第156話 御使い
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。ただ、この左目から血が溢れ出て来ると言う異常事態は元々、彼女が転移して来る為に使用した召喚円を描く為に起きた事象。故に、その傷を治して貰ったからと言って、わざわざ俺が感謝を口にする必要はないはずなのですが。
更に言うと、おそらく先ほどの異常事態はかなり過剰な演出。次元移動の類でもない、単なる高速移動に等しい術式にあれほど大がかりな術は本来、必要ではない。
まさか本当に聖スリーズに相当する聖霊を異世界から召喚したとは思えませんし。
そう、おそらくそのブリミル教が定めるガリアの守護聖人の聖スリーズとは、元々彼女。妖精女王ティターニアに関する伝説を自分たちに都合が良い形に書き換えて出来上がった物だと思う。このような例なら地球世界にもいくらでも有りますし、そもそも、ガリアがブリミル教を国教に定めたのがティターニアに代表される土の精霊に対する信仰を断ち切った敬虔王シャルル一世の御代。殺人祭鬼や、ゲルマニアの暗黒の皇太子ヴィルフェルムの言葉を信じるのなら、コイツはガリア王家の正統な血筋を引く父親の違う兄を弑逆して玉座に就いた簒奪者。
それ以前の土のガリアの王は、大地の精霊の女王ティターニアに言祝がれる事に因って王と成る事が出来た以上、精霊魔法を悪魔の術と称するブリミル教と関係していたとは考えられない。
そして、その聖スリーズと言う人物の伝承によれば、彼女は常にガリア祖王の傍らに在りて、彼の王道の手助けを行ったとされる人物。
敬虔王シャルル一世以前のガリア王家にブリミル教……と言うか、精霊に嫌われる系統魔法の使い手が居るとは思えないので、その聖スリーズと言う女性はおそらく精霊魔法の使い手。
いや、誤魔化しは止めよう。彼女……妖精女王ティターニアが聖スリーズで間違いない。それは彼女の容姿がそれを証明している。
他の誰も分からない理由。しかし、俺だけ……もしかすると湖の乙女も分かっている可能性もありますが、少なくとも地球世界で二十一世紀初めの西宮の事を知っている人間でなければこれは分からない理由。
ガリアの言葉でスリーズとは桜の事。つまり、今の彼女はティターニアと名乗っているけど、かつては自らの事を桜だと名乗っていた可能性が高いと言う事だと思う。
おそらく弓月さんの転生も有希と同じで地球世界からハルケギニア世界への順。
そして、彼女と俺はそれ以前の人生で出会っているのだと思う。あのアラハバキ召喚事件の際の彼女の言葉。更に言うと、弓月桜としての人生だけなら未だしも、それから先の人生でも俺に関わりが深くなる可能性の高い立ち位置に転生を果たした以上、彼女の魂は元々俺と深い因縁のある魂だと考える方が妥当。
確かに、俺の方に彼女の記憶は弓月桜と言う少女に関しての記憶しかない。
しかし、俺が蘇えらさ
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